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お知らせとたわごと

アーカイブ(2007.10〜2007.12)


2007.10.01

「暑さ寒さも彼岸まで」と言いますが,今年は彼岸を過ぎても真夏のような暑さでした. それが衣替え直前に,夏からいきなり晩秋のような気候になってしまいました. 気候が突然変ったのは一昨日の土曜日,つまり,私達が所沢で演奏をした日の朝でした. ついうっかり薄着で出かけたせいか,どうも少し風邪をひいてしまったようです.

しかし楽屋や舞台が寒いはずはなく,緊張も加わるとかなり汗ばみます. それを見越して(^^;)長襦袢はやめて薄手の半襦袢にしましたが,それでも終わってみると肌襦袢はもちろん半襦袢までグショグショでした. これも風邪の原因かな.

会場で他の(我々以外の)人たちのいでたちを観察していたら,衣装にはかなりおおらかなようでした. 袴の下に兵児帯を締めたり,袴の紐は十文字とか一文字ではなくて,2段にもせずに,適当にくくり付けているだけだったり,でも,会場から見ればしっかり紋付袴に見えるのですから,まあいいか......

着付けがいい加減なのはさておき,筝の調弦がいい加減なのはちょっと勘弁願いたいものです. ピッチチューナーという便利なものだってあるんだから,もうちょっとなんとか,音を合わせてもらえないものでしょうか. 都節音階のはずが,時々琉球音階に聞こえて,驚きました. こんなことでは邦楽は滅亡するんじゃないかと思えてきます.

もちろん,ピッチについては我々の演奏だって偉そうなことは言えません. 次の演奏までには,もう少しピッチを合わせられるように練習しなくてはならないと思います.

編曲上も,もう少し工夫出来たかも知れません. 「イ」はもちろんのこと,「リ」のようにピッチの下がりやすい音は使わないように考慮すればよかったと思います. それと,今回は日本音楽風の和音を考えた結果,sus4の和音を多用する結果となりました. この和音は,完全音程を複数含むので,通常の三和音より不協和になりやすいです. 次回編曲する際には,このあたりの経験も活かしていきたいと思います.


2007.10.04

尺八工房船明

泉州尺八工房で製管師をされていた船明さんが,独立して,新しい尺八工房を立ち上げたそうです. 尺八工房船明のサイトと,船明さんのブログを見つけたので,無孔笛庵縁起に追加しました.

「船明」は「ふなぎら」と読むのですが,そう読める方はあまりいらっしゃらないでしょう. 実は,私の母方の実家は,天竜川中流の船明(ふなぎら)というところにありました. この地名の船明と船明さんの船明は関係があるとか. いずれにせよ,船明さんと私はほぼ同郷人ということにもなります(私は随分と田舎ですけど).

尺八工房船明は,残念ながらちょっと交通の便が悪そうですが,いい尺八を作ってもらえることは確実ですので,いずれお伺いしてみようと思っています.


2007.10.06

大田尺八吹合せ会

実は,少し前から,東京の大田区で,尺八教室もどきを開催しています. 「尺八教室」というのはおこがましいので,「大田尺八吹合せ会」と名乗ることにしました(ますますおこがましいでしょうか ^^;) . と言っても今の所,習いに来て下さるのはたったお一人です. 余った時間は自分の練習にも使えるし,あるいは近くに住む弟(ルーチョ)とフォルクローレの合奏もしていますから,会場を無駄にしていることはありません. が,他にもどなたかおられたら....... 大田区在住の方がおられるとあり難いです. スケジュールはここに掲載しておきます. 希望される方がおられましたら,メールにてお問い合わせ・ご連絡下さい.


2007.10.11

音楽検定の受検放棄^^;

ついうっかり,受験の申込みを忘れていました. (財)音楽文化創造がやっている音楽検定試験です. 本来の締め切りの9月29日はちょうど所沢での本番の日でしたので,これは無視していました. 実は,ネットで申し込む場合のみ少し締切が延びることを知っていたので,それで申し込めばいいや,と思っていたのです. ところが今見たら,なんと,ネット締め切りは昨日でした.

昨年は,2級洋楽系,3級洋楽系,2級邦楽系の3つを受験しました. とりあえず洋楽系は3級はもちろん2級も合格するつもりで受けたのですが,さすがにろくな受験準備もせずに受けたので,2級は落ちてしまいました. 一方,邦楽系はまったく受かる自信はなかったのに,自己採点したら合格点になっているではないですか! さすがに今現在,実際に尺八を吹いて,邦楽分野に関わっているからでしょうね. でも,届いた結果は不合格. たぶん,解答用紙への転記ミスがあったんでしょう. がっかりです.

つまり昨年合格したのは,3級洋楽系のみ,ということです. 3級の定義は,財団によれば,「幅広い音楽体験を有する方や基礎的な音楽の指導を目指す方」だそうです. ついでに2級の定義は,「より幅広い音楽体験を有する方や生涯音楽学習を含めたより幅広い音楽の指導を目指す方」だそうです. (ちなみに,洋楽系は1級までありますが,邦楽系は今のところ2級までしか実施されていません).

なぜこんな検定試験を受けたのかというと,私が他人に音楽・楽器を教えるというに当ってその正当性を示すものが何もないからです. 音大を卒業したわけでもなく,どこかから師範のお免状をもらったわけでもありません. 音大の先生(非常勤)はしてますが,音楽情報処理(コンピュータ)ですからねぇ. そんなわけで,こんな検定試験でも受けてみようかと思った次第です. でも3級じゃぁちょいと恥ずかしくて公表できませんねぇ(^^;)

落ちたとは言え,さほど勉強もしないで邦楽系の点が意外と取れたので,「来年こそは!」と少々発奮したのでしたが,不合格通知のしばらく後に財団から届いたお知らせは,邦楽系は受験者が少ないので来年度(つまり今年度)は実施しない,とのことでした. もう一年待って,2級洋楽系・邦楽系を受けてみようか,とも思いますが,う〜ん‥‥‥‥. かつて情報処理技術者試験の出題者に私の知人たちがいた(とんでもない飲み友達もいました)ように,この音検の出題者にも知人や知人の関係者がいるんだろうと思います. そう思うと,いまさら私が「基本情報技術者」なんか受けられないのと同じように,音検もちょっと‥‥‥‥. ま,1年,ゆっくり悩むことにします.


2007.10.14

久しぶりの秩父巡礼

昨日,13日(土)は,8ヶ月ぶりに秩父の札所巡りの続きに行ってきました. 朝7時に家を出て,帰りは深夜0時30分,走行距離はおよそ270キロ. 今回は4ヶ所しか行けませんでしたが,周辺の遠いところは結願寺を除いて終わりました. あとは市中だけなので,1日で一気にでも結願できそうです. でもまあ,それも残念なので,まだ何回かに分けて行くことにします.

今回はすべてのお寺で献奏させていただきましたが,どのお寺でも厚遇してくださいました. 尺八の献奏がどういうことか,秩父ではどの札所でもご存知のようです. 坂東の札所では袋に入れている尺八を納経軸としばしば間違われることがありましたが,秩父では「ああ,尺八ですね」などと言われます. 西国の札所も,比較的尺八の献奏は暖かく受け入れていただけるようです. さてこの違いは‥‥‥.

三十一番の観音院のそばに「観音茶屋」と言ううどん・そばの店がありました. なかなかいい店でした. この店で,タレントの野々村真さんのご一家と一緒になりました. 私は芸能界の人はあまり知りませんが,野々村一家はなかなかいい人たちのようですね.

観音茶屋の斜め向かいに,えらく派手な,紫雲山地蔵寺という水子地蔵の寺があります. ネットでみると昭和46年創建だそうですが,宗派などは不明です. なんだかちょっと胡散臭く感じてしまいますが‥‥‥どんなもんなんでしょう.

最後は毎度同じ,武甲温泉でゆっくり渋滞をやり過ごしてから,帰りました. この温泉,なかなかいい温泉なのですが,洗い場のシャワーが湯船にまで飛んでくるのはどうにもいただけません.


2007.10.19

おしらせページのURLを変更しました

このページは,サイト内の更新情報を書くだけのつもりだったのに,ついつい戯言の方が多くなって,いわゆるブログみたいになってしまいました. 分量はどんどん増えてきましたが,消すのも惜しいので,「駄文書院」の一部として,しばらくとっておくことにします. そのため,サイト内のリンクの記述が厄介になるので,いっそ,このページの置き場所そのものを変更しました. もし,この「お知らせ」ページだけをブックマークなどされている方がおられたら,URLの変更をお願いします. しばらくは元のページからここに,自動でジャンプするようにしておきますが,そのうち元のページは消します. 更新も,こちらの新しいページのみ,行ないます.


2007.10.20

ヘッドラインを付けました

ブログ風になってきたついでに,もう少し見やすくなるように,ヘッドラインをつけることにしました. 過去の記事にも遡って,付けられるところは付けてみます.

懐メロ

先日,「大人の科学」を買いに書店行きました. 付録のテルミンが目当てです. ところがテルミンの生産が間に合わず,在庫切れで,次の入荷は年明けになるとか.

何の用も足せずに帰るのもシャクなので,となりのCDショップに入りました. そこで偶然目に止まったカーペンターズとジョン・デンバーのCDを,思わずふらふらっと買ってしまいました. こういうものを買うのは,30年ぶりです.

車の中で聞きました. カーペンターズの「Yesterday Once More」(な,なんて懐かしい!)には胸が震え,目までウルウルしてきました. ジョン・デンバーの「Leaving, on a Jet Plane」や「Follow Me」では本当に涙が出て止まりませんでした. 一体自分はどうしてしまったのだろうか,と驚きました.

30年間,こういう音楽は本当に聞かずに過ごしてきました(いわば封印していたような感じです). そして,この30年間は一体自分にとって何だったのだろう,と考えました. 結婚して子供が出来て,仕事やら何やら,とにかくドタバタ・ジタバタ・キリキリしながら過ごしてきたのでした. その間,音楽を一切聞いていなかった分けではなく,実は,こういう音楽とは隔絶したような音楽にずっと関わってきました(テルミンもそんな音楽の一つかな). しかもそれが,ある意味では職業的に,でした.

今やっと,30年前の気持ちを思い出しながら,聞きなおせるようになったのか,と,少し感動的なことを思ったりしました. まさに「Yesterday Once More」. でも! よっく考えてみると,早い話が,これ,いわゆる「懐メロ」ってやつでしょうか. そう考えると,少し興ざめですが,でも,確かに自分の位置が少しずつ変わってきているのを感じます. なにか,こう,コダワリみたいなものが少しだけ融けてきているような.

来週は,イムジチのコンサートに行く予定です. イムジチみたいな音楽も,30年間,ほとんど聞いて来ませんでした. 果たしてイムジチも「懐メロ」になっているでしょうか.....

坐禅

一昨日(第3木曜日)は,新宿の法身寺の坐禅会でした. 最近,参加人数が多くて,毎回10人以上になります. 人数が多いと,茶礼のお茶を丁寧に淹れられなくなってしまいます. でも不思議と,大人数のお茶をまとめて淹れると,意外と不味くならないのは不思議です.

一昨日の茶礼に,なぜか「梵鐘サブレ」が出てきました. 鎌倉の建長寺の,国宝の梵鐘にちなんだおみやげ物です. (因みに法身寺は,建長寺の隣りの円覚寺が本山です).

このサブレを食べたら,久しぶりに建長寺の土曜坐禅会に行きたくなりました. それで今,帰ってきたところです. 建長寺の土曜坐禅会は夕方5時から6時です. 参加者は,気候が良いせいか,50人くらいもいたでしょうか. 初めての参加者が圧倒的に多くて,本格的な坐禅は出来ませんが,坐っていると,爽やかな風やねぐらに帰る鳥たちの声に混ざって例の国宝の梵鐘の音が響いてきたりして,これはこれでとても気持ちの良い面もあります.

坐禅が終わったところで,献笛もさせていただきました. 私が吹きたくて吹いたのに,和尚様始めまだ残っておられた方々に「有難うございました」と言われたことは,私のほうこそ有難いことです.

ところで,坐禅では,とにかく無念無想になることを目指します. でも,本当に何も思わなくなったんじゃあ,ただの痴呆じゃないですか. じゃあ,坐禅ってなんなんだ.... と,前から思っていました. 最近,心のストレッチなんじゃないかと思うようになりました. いろいろ沸いてくる妄想(もうぞう)を捨て去る訓練は,意志の筋肉トレーニングと,心の動きの素早さと小回りのトレーニングなのではないか,と思うのです.


2007.10.27

三曲歌ざんまい

12月2日(日)の,「三曲歌ざんまい」のプログラムが届きました. 我々の合奏編曲「普大寺 虚鈴」は,プログラム16番,14:40頃の予定です. ご興味おありでしたら,入場料無料ですから,ぜひお越し下さい. 入場整理券(富くじつき)は私のところにもありますので,お近くの方は声をおかけくだされば,差し上げます. なお,プログラムはインターネットにも公開されています.


日時:平成19年12月2日(日) 12時半開演(12時開場)
場所:赤坂区民センターホール
プログラム:http://www.shamisen.info/v3online/v3onlineframe.html(おさらい会→プログラム)


2007.10.29

イ・ムジチ

昨日は,イ・ムジチの演奏を聴いてきました.

実は,あまり期待してはいなかったのです. 今年の夏,ある所で,「本場のカンツォーネ」なるものを聞く機会がありました. ところがこれが,いわば出稼ぎで,客へのサービスはいいけれども,あまり上手いとは言えなかったし,本気で歌っているようにも思えませんでした. ジャンルと格はまるで違うけれども同じイタリアだし,日本でイ・ムジチがビバルディの四季を演奏するとなれば,客はいくらでも集まりますから,ちょうどいい出稼ぎになるでしょう. 他の曲目を見ても,一曲目のモーツァルトの「アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク」をはじめ,耳障りよい一般受けする曲が並んでいます. どうせ出稼ぎだろう,という気持ちをもったまま,席に着いたのでした.

開演時刻ぴったりに,11人の演奏者たちがステージに出てきて,着席しました. チューニングが始まる様子はなく,最初から緊張感が漂ってきます. そしてそのまま,いきなり,見事な一発......アイネ・クライネの演奏が始まりました. 私は脳天をドツカレタようなショックを感じました. 見事です. 実は本当に出稼ぎ,なのかも知れません. たとえそうであったとしても,これは凄い.

2曲目,レスピーギの「リュートのための古風な舞曲とアリア 第3組曲」もいい演奏でした. うっかり胸が熱くなりました. ただ大失敗は,終曲の途中でついつい,これは尺八の合奏にはならないだろうか,などと馬鹿げたことを考えていたら,いきなり終わってしまったことです. なんだかすごく損した気がします (^^;)

アンコールは山田耕筰の「あかとんぼ」でした. 誰が編曲した物かわかりませんが,これにも泣けてきました. 意地悪く言えば,これも出稼ぎの客サービス,なのかも知れません. でも,ドイツのモーツァルトもイタリアのビバルディもいいけれど,日本にだっていい音楽があるんだよ,というメッセージのようにも思いました. それにしてもやっぱり,一番大きなファクターは演奏者なのかも知れませんね.


2007.10.30

更新情報

「お知らせ」のページ,つまりこのページ,だいぶん長くなったので,9月までの分はアーカイブとしました.

休み休みとは言え,長いこと書き続けてきた「着物話」ですが,突然ここで,一応終わりにします. 直接のきっかけは,書き溜めていたネタの断片が入ったファイルをうっかり消してしまって,いわば自棄を起こしたことですが,着物に囚われすぎているような気持ちがしてきたからです. なにもわざわざ,洋服のズボンの時にまで,頑なに褌を締めなくたっていいじゃないか,というような感じです (^^;) 今後は,とりわけ「着物話」としてではなく,気ままに思ったことを書こうと思います.

それにしても,このページは「更新情報」のページだったのに,わざわざここのヘッドラインに「更新情報」って,いかにも妙ですね :)


2007.11.05

修善寺

昨日は,近くまで行ったついでに,伊豆の修善寺に寄りました. いろいろと思わぬ出会いがあって,楽しい旅行になりました. ただし,帰りの東名の渋滞には難儀しましたが.

まず,いつも通り,旭瀧. 瀧はいつもより少し水量が多く,立派な瀧に見えました. 龍源寺住職の墓(7基)に,瀧落を献笛しました. 無限ループやワープなど,散々な献笛になりましたが,心は込めたつもりなので,見逃してやって下さいな.

瀧の脇に,修善寺周辺の観光地図の看板がありました. その中に,修禅寺の奥の院があり,そこに阿字苑という文字がある. よし,ここに行って阿字観を吹こう! というわけで,修禅寺奥の院を目指しました.

奥の院はかなりの山の中でしたが,観光バスもいて,この日はなかなか賑わっているようでした. 本堂の前で献笛を始めたら,堂守さん(若いおばあさん)が出てきて,本堂の前の戸を開け広げて下さいました. 終わると,合掌で挨拶され,上の修行場(護摩堂跡)でも吹いて,参詣の人たちにも聞かせてあげてほしい,とのこと. 傍にいた若い女性の二人連れ(一人はお筝をやっているのだとか)も,上で一緒に聞きたいとのこと. 家内を本堂の前に残して,石段を登り,弘法大師が修行したという場所,かつて護摩堂があった場所に立ち,瀧に向かい,阿字観を吹かせていただきました. 堂守さんは本堂を離れるわけには行かず,階段の下で合掌をしながら聞いてくださった,とのことです.

その後,本堂で甘茶を頂きながら,いろいろお話しをさせていただきました. こうして尺八の音が聞かれるのは最高の贅沢だ,とのこと. そんな風に言われたのでは,こちらこそ恐縮してしまいます. それにしても,甘茶があんなに甘くて美味しいものとは知りませんでした. 自家製の甘茶の葉なのだそうです.

奥の院には随分と長居をしてしまいましたが,修善寺に寄った一つの目的は,お昼に独鈷蕎麦(とっこそば)を食べることでした. 早く行かないと終わってしまう. 慌てて修善寺にもどり(おかげで阿字苑で阿字観を吹くのは断念),修禅寺の駐車に車を置いて蕎麦屋に行ったのですが,遅かった. 仕方なく,隣の禅寺蕎麦(ぜんでらそば)に入りました(いえ,ここが不味いということではなく,ここには何度も入っていて,独鈷蕎麦をまだ食べていないので....).

修禅寺の山門脇に「石田不空 書芸展 入場無料」とあります. 数年前から書道を始めた家内が,是非見たい,というので,修禅寺の書院に入るのも楽しみだし,寄ってみました. 会場に入ると,若い人が声をかけてきました. 石田不空さん本人でした. 書家というから,もっと年配の,おそらくお年寄りだろうと思っていたので,吃驚です.

私には書はあまり分かりませんが,なんだか面白い人のようです. 作品にも人柄にも,親しみを感じます. 一人の書家の作品とは思えないほどいろいろなものがあるので,そのことについて話をしていたら,尺八だって,本曲吹きが時には本曲じゃないものを吹いたって,その方が本当の心に副っていることだってある,ということに思い至りました.

ところで,この石田さん,なんと私の母校,沼津高専の後輩でした. これにはもっと吃驚. もちろん,だいぶ歳が離れているので会った事はないでしょうけど. エンジニアとしてしばらく勤めてから,書家として独立したのだそうです. それにしても,高専出身の人とはなんとなく波長の合うことが多いのは不思議です.

なお,この書芸展が奥の院の護摩堂(ついさっき,私が堂守さんに言われて献笛した場所です)再建のための催しの一環であることも,何かの縁を感じました.


2007.11.07

プログラム

先日ご紹介した三曲歌ざんまいのプログラムのページへのリンク,ミスしていました. 失礼しました. 過去の記事の分も訂正しておきました. どうか皆様,おいで下さい.

もう一つ,プログラムが確定しました. 11月23日の虚無僧研究会の献奏会です. 私は,全49曲中の20曲目,おそらく13時ころの演奏になるものと思います. こちらも入場無料ですので,おいで下さい. ただし,会場(法身寺本堂)はそんなに広いところではありませんので,少々厚かましく入っていかないと,いい場所では聞けないかもしれません.

第26回虚無僧追善供養尺八献奏大会
会場:東京都新宿区原町3−82 法身寺本堂
日時:11月23日午前10時30分から
入場無料(ただし懇親会は別,要予約)


2007.11.13

お役所仕事

私の車にはカーナビが付いていません. 地図だけを頼りに,迷いながらドライブするおかげで,いろいろ面白い体験もしました. けれど,やっぱり目的地がある場合は,カーナビは便利ですよね.

そんなわけで,先日,家内の車にカーナビを装備しました. これから遠出は家内の車で行くことにします.

私の車にもカーナビがあれば便利ですが,私にはそれよりETCの方が先に必要です. そう思っていたら,首都高の料金所で,ETCがあたるスクラッチをもらいました. よし,これを集めて応募しよう,と思ったら,その後数日,どこの料金所でももうくれない. そこでこっちから「これ呉れないの?」と聞いてみたところ,面倒くさそうな顔で7枚もまとめてくれ,次の料金所ではなんと一度に20枚もくれました. 一気に何度も応募でできる点数が貯まりましたが,呆れました. まあ,おそらく,こんなキャンペーン,まともに機能してはいないんでしょうね. 応募する気は失せました. キャンペーン名目のお金さえ使えば,それでよし;充分キャンペーンしたから,ETCを使わない車の通行代は高くしても文句言うな,というになるんでしょう. まったく,お役所仕事の典型です(首都高はすでに,看做し公務員の公団から民営化されていますが,ますます酷い).

名目だけは立派だが,具体的には無意味,あるいはむしろやらない方がいいような仕事というのは,私自身の仕事にもあります(具体的な話しは差し控えますが).

そう思っていたら,突然,勤続20年のお祝いというのがありました. 旅行券が手渡され,10日間の特別休暇をとれるんだそうです. 私は毎年,有給休暇の10日分くらいは捨てているのが実態です. そこへさらに10日の休暇を呉れたってねぇ. これもいわゆるお役所仕事でしょうね. まあそれにしても,10日分の旅行券!には大喜びで中身をみたら,2万円でした.

2万円で10日の旅行とは,さてどうしたものでしょう. 虚無僧行脚しろ,ってことでしょうかね.


2007.11.19

山口五郎

今週土曜日(11月24日)のNHK教育の番組「芸能花舞台」で,山口五郎が特集されます. 放送時間は13:00〜13:44で,再放送は翌週土曜日の朝5:15〜5:59です.

山口先生が急逝されて,8年も過ぎたんですね(8年10ヶ月ですから,むしろ9年に近い). 山口先生が亡くなられてからの時間は,私が尺八を始めてからの時間と同じです.

私は山口先生の生前の生演奏を,たった一度だけ聞いたことがあります. 私がまだ尺八を始める前のことでした. 山口先生の亡くなる前年,平成10年4月17日(金),国立劇場での「尺八本曲の世界」という演奏会でした. 山口先生の他,横山勝也(この時はまだお元気でした),青木鈴慕,山本邦山等など,人間国宝級の演奏家がずらりと並んだ演奏会でした. 尺八にさほど深い興味のなかったころでしたが,それでもこの日の出演者のほとんどの名前くらいは知っていました. その第1曲目を演奏する私の知り合いの志村(禅保)さんに誘われて,聞きに行ったのでした.

山口先生は,最後の現代曲(広瀬量平)の合奏曲を別にすれば,この日の最後の演奏でした. この時の山口先生の演奏を聴いて,私の尺八への認識があきらかに変ったように思います. 人間が笛を吹いているようには思えませんでした. なんだか,こう,うまい表現はできませんが,宇宙の果てから音が漏れてくるような,その音を聞いていると山口五郎も尺八も自分自身もコンサートホールも宇宙も,何も無くなって一つになってしまうような,そんな感じでしょうか. それまで私が関わってきた音楽とはまったく違うものを感じたのでした.

こんなことがあって数ヶ月後,志村さんから尺八の師匠を紹介してもらいました. その師匠というのが,この日の演奏会の1曲目を志村さんとともに吹いていた善養寺惠介師でした. 善養寺師について尺八を習い始めてわずか3ヶ月も経たない正月,山口先生は亡くなられましたが,善養寺師は東京芸大では山口先生に師事していましたから,私は山口五郎の孫弟子...... なんて言ったら叱られますね. でもまあ,一応,山口五郎譲りの「鹿の遠音」だけは教えてもらいました.

さてその,今週の芸能花舞台では

が放送されるようです.


2007.11.22

いよいよ明日は

いよいよ明日(23日)は虚無僧研究会の献奏大会です. このところちっとも練習できていないので,かなり不安です. 音も危ないですが,何よりも暗譜が不安です.

一曲をそれなりに吹くには,おそらく何十回,いや,何百回(もしかしたら何千回?)も吹いてみて,曲のイメージ,曲の構成,そして細部まで,充分納得し,納得した通りに吹けるようになっていなくてはならないのでしょう. ただ譜面を読んで,譜面を覚えただけでは,全然不足です. で,その暗譜すら危ういのでは......

先日,修禅寺で偶然会った書道家の石田氏のブログを見ていたら,一つの作品(書道)を仕上げるには,まずは何十枚から百枚ほども書いて評価し,それを何度も何度も,何日も何日も繰り返した後に,「神様からのご褒美」のようにして納得できる作品ができる,というようなことが書いてありました. 書道なんてものはサラッと書けばそれで完成,くらいに軽く考えていた私にとって,少々衝撃でした. それに引き換え,私の尺八は,そんな努力をしているのかな..... と,反省した次第です.

今日,仕事を早や引きして練習したところで,追いつきっこないですよね (^^;) 明日はせめて,精一杯真剣に吹ききりたいと思います.


2007.11.24

虚無研献奏会の反省

昨日の虚無僧研究会の献奏会は,散々な結果となりました. いつもに増して上がってしまいました. 2年前の献奏会で,「献奏会ではもう上がりません」などと確信したのに,そんなことすっかり忘れていました. つい,人に聞かせてやろう,などという色気が出てしまい,その割には最初の音が出なくてちょっと焦ったところへ,たった一箇所の音を間違えたのがパニックの引き金になって,フレーズを一つ飛ばしてしまったら,もうどこを吹いているのやら分からなくなり(因みに私は暗譜です),焦って焦って焦って,とにかく演奏が止まってしまわないことだけを念じて吹き続け,おかげで息継ぎもせわしなくなり,もう,このまま走って逃げ出したいような気持ちで吹き終えたのでした. 演奏後,見知らぬ方たちからも「良かった良かった」と褒めていただきましたから,この散々な体たらくを聞き逃がして下さった方も多かったのかも知れません. でもやはり自分としては,大いに残念,反省しなくてはなりません.

最大の原因はもちろん練習不足なのですが,練習不足というより,練習不足だという不安な気持ちが一番いけなかったようです. 不安があると,どうしても上がってしまいます. それと,献奏会なんですから,一心に吹けばいいんだ,ということを忘れていました.

さて,自分のことは棚に上げます.

全49曲の中には,いろいろな演奏がありました. つい引き込まれて聞いてしまうような演奏と,時間の経つのがどうにも長く感じるような演奏. この違いは,どうも,曲や曲の構成にではなくて,演奏の細部にこそあるのではないかと思えます. とりわけ,緊張感のある弱音が出せるか出せないかが,その大きな分かれ目のようです. それに欲を言えば,フレーズとフレーズの繋がりとコントラスト. 要するに,尺八古典本曲も邦楽も洋楽も民族音楽もなんでも共通の,演奏技術ということじゃないでしょうか.

どういう伝承の曲,誰の譜に基づく演奏,だとかいうことは,もちろん大切なことなのでしょうが,そっちが主になってしまったら,もうその曲は死んだようなものではないでしょうか. 音楽として聴けるものであって初めて伝承の価値もあるのだと思います. そんな意味で,伝承とか楽譜とかに拘らず,自由な,例えば即興演奏のようなものへの憧れを感じました. 即興といっても,まったく何も基盤もない即興というものはありえないのではないでしょうか. 「本曲」という基盤の上での即興こそ,そしてその即興が音楽として成り立つ時,それが本曲の本当の伝承ではないでしょうか.


2007.11.29

ブラウザ

いつの間にか私は,UNIXを忘れて,Microsoft Windowsなるものの軍門に下ってしまっておりました. 従って,ブラウザも,MSIE(マイクロソフト・インターネット・エクスプローラ)ばかり使っていて,自分のサイト(このサイトも,職場のUNIXサーバ上のサイトも)も,MSIEでしか確認していませんでした. 授業では学生たちにUNIXマシン上でサイトを作らせているのにもかかわらず.

ところが,今しがた,このページをFirefoxで見たところ,なんと,とんでもないことが起こっているではないですか. 記事を日記風に書く都合上,アクセスした時に最新の記事(つまりページの最後)が表示されるように,metaタグでページの末尾に飛ばすようにしていました. MSIEではそれで問題なかったのですが,Firefoxでは,永久にページの更新が繰り返され,読めない状態でした. このページをMSIE以外でアクセスなさった方がおられましたら,大変申し訳ありませんでした. さっそく修正しました.

これは,学生たちにいつも言っていることでした;ブラウザが違えば動作や表示の仕方も違うから,いろいろなブラウザでよく確認してみなさい,と. そして,今はMSIEのシェアが圧倒的だが他にもいろいろなブラウザがある,などと言ってから,CERN,Mosaic,NCSA,Mozilla ‥‥ と,遠い回想の世界を一回りするのでした (^^;)

最近,うちの学生たちはパソコンの場合も主にFirefoxを使うように指示されているらしく,どうもいつまでもMSIEだけ使っているのは私ばかりだったのかも知れません. Mozillaの復権は,ちょっとなんだか嬉しい気がします. 昔の,あの,地球(Mosaicのシンボル)を押さえ込んだMozillaのアイコン,もう一度見たいのですが,なかなか見つかりません.


2007.12.01

明日は本番

明日は,三曲歌ざんまいの本番です. 思えば昨年のこの会の後,師匠から「来年は尺八だけの合奏をやりたいから,何か編曲を考えて」言われたのでした. そして「普大寺 虚鈴」を尺八合奏に編曲しました.

あれから一年. これまで,7月の百銭会浴衣会,9月の所沢,と演奏してきましたが,明日こそが所期の目標です. 今日はこれから,下合わせ. メンバーの合奏技術も確実に上がり,今日は師匠も練習に参加して,アドバイスをしてもらえるはずです. なんとしてもいい演奏にしたいと思っています.

何か編曲を,という師匠に言葉に,すぐに私の頭に浮かんだのがこの曲でした. 最初の編曲にこれを取り上げたのは大正解でした. 日本音階への和音付けの検討から始め,DTMで実験したりして,それなりに苦労もしましたが,なかなか良いものになったと思っています. でも本当は,私の編曲が良かったというより,曲が持っている力がそのまま出ているのだと思います.

なお,一つ心配なことは,明日の本番は師匠がいないことです. この曲の演奏には最初から師匠は参加していないのでいいのですが,着付けが!  私自身,袴には慣れていないので,果たしてうまく着られるかどうかというのに,他のメンバーの着付けまでは,ちょっと自信ありません. 実を言うと,うちの社中は実にあきれたことに,師匠は弟子の着付け係でもあるのです(^^;)


2007.12.03

本番終了

昨日の本番(三曲歌ざんまいでの合奏「虚鈴」)は,無事に終わりました. 前回の所沢での本番よりもよかったような気がします. 前日の練習が功を奏したのでしょう. 練習より本番の方がもっとよかったみたいです.

ただ,聴衆の評価はどうだったでしょうね. 筝や三味線の華やかな三曲合奏の途中に,突然,男ばかりのむさ苦しく,なんとも陰鬱なものが始まったわけで,おそらく適応不能,理解不能だったかも知れません.

さて,来年の三曲歌ざんまいの日取りが既に決まり,11月23日となったそうです. その日は,虚無僧研究会の献奏大会の日です. 私は虚無研を優先したいので,来年は参加しないつもりです.

もし,来年の三曲歌ざんまいでも同じような尺八合奏をするなら,次は「霧海じ」を取り上げようかと思っていたところでした. 今回の虚鈴が,和音の連結を主とする静かな編曲であったのに対して,霧海じは,様々な技巧を組み合わせた動きのある編曲にしようと思っていました. ただ,私の持っているDTMソフトでは尺八の技巧がどうも上手く表現できず,実験がし難そうで,躊躇しています. でもまあ,来年が無しなら1年余裕ができるので,なんとか取り組んでみようと思います.


「喪われた道」の放送は

以前にも報告しましたが,8月下旬,内田康夫の小説に基づく浅見光彦シリーズ「喪われた道」のロケがあり,私も参加しました. その時の話しでは,11月に放送の予定とのことでしたが,その後の伊豆でのロケが台風のために延期されたことが影響したのか,放送が遅れ,未だに放送されていません. フジテレビの金曜プレステージでは1月に,「浅見伝説三部作」という特別企画を予定しているようですが,この3作の中にも「喪われた道」は入っていません. このお話しの設定が梅雨の明ける直前の7月18日から終戦記念日までとなっているので,季節感にあわせて,初夏までお蔵入りになるのかも知れません. 待ち遠しいです(^^;)

因みに,これはそのロケの時の記念写真です.



さてここで問題です.

  1. この中に私もいます.どれでしょう.
    以下の問題の答えには,私を含まないことにします.
  2. この中に,本物の和尚が一人だけいます.どれでしょう.
  3. この中に,尺八の本物の師匠でプロの演奏家が,一人だけいます.どれでしょう.
  4. この中に,本物の役者さん・タレントさんが4人います.どれとどれでしょう.
  5. この中に,大学教授が一人だけいます.どれでしょう.


2007.12.13

クイズの答え

「喪われた道」のロケの記念写真の問題の答えです.

  1. 私は,後列向かって右から二人目です.
  2. 前列右から二人目が,法身寺の御住職で,虚無僧研究会会長でもある小菅大徹師です. 立派なので,役者さんだと思った方も少なくないようです. もしかしたら,実際に,ドラマの中にしっかり写っているかも知れません. なお,後列右から3人目は,ドラマの中での住職役の役者さんです.
  3. 前列左から3人目が,私の尺八の師匠である善養寺惠介師です. 若いので,尺八の師匠とは思わなかった人も多かったようです.
  4. 前列中央の二人が,主役の中村俊介さんと宮地真緒さんです. 後列の,私の両側も役者さんです.
  5. 前列一番右が,某大学理学部情報科学科教授で,「尺八くん」開発プロジェクトの代表者です.


一ヶ月ほど前,ここにも書いたように,家内の車にカーナビを付けました. そのため,遠出は家内の車で行くことになりました.

ところで,つい最近,私の車のオイル漏れがひどくなったので調べてもらったら,だいぶ状態が悪く,修理には19万円ほどかかるとのこと. いつ,突然止まっても不思議ではないとか. まあ,すでに16万キロほど走っていますから,仕方がないですけど. もしも,遠出した先で故障していたら,目も当てられないところでした. 自分の替わりが出来るまでへたらずに頑張っていてくれたのか,と,感謝しつつも,せっかくスタッドレスタイヤに履き替えたところだったのにぃ,と,少々悔しくも思います.

そういえば,この車の先代の車も,17万キロほど走ったところで,ぱったりと動かなくなってしまいました. 私はそのころ,自宅を150キロほど離れた茨城県の禅堂に通っていたのですが,その禅堂に辿り着く直前で,突然こと切れてしまったのでした. そこから禅堂まではすぐ近くで,本当に助かりましたが,これが途中で止まっていたら,しかももう夜でしたから,えらいことになっていたでしょうね.

さて,今度の土曜日あたり,もし天気が悪くなければ,カーナビ付きの車で,秩父の札所の続きに行ってこようかと思っています. ただ,残りは街中のお寺が多いので,カーナビの出番は少なさそうだし,献笛は少しし難いかも知れません.

なお,暮には,もし出来たら,西国札所の続きにも行けたら行きたいな,とも思っています. でもこれは,宿は取ってないし,季節が季節で座席指定は取れそうにないし,かと言って和歌山まで車で行くのは辛いし.... ということで,無理そうですね.


2007.12.16

音楽情報科学研究会

一昨日,14日(金)は,多摩美大の八王子キャンパスにて行われた,情報処理学会音楽情報科学研究会(SIGMUS)に,久しぶりに顔を出して来ました.

通称「音情研」と呼ばれるこの会は,元はもう20年以上も前の,私が発起人となって立ち上げた任意団体に始まります. 当時の発表テーマなど見ると,いろいろな立場の人がいろいろな思い,熱い思いで,集まっていたことがよくわかります. あの当時,音楽学者や音楽家が研究や創作にコンピュータを利用することは,一般的ではありませんでした. とりわけ,情報やコンピュータの研究者が音楽をテーマに取り上げることは,かなり異端視されたものです. やがて,情報処理学会の研究会となましたが,それでも初期のテーマには私にとっても興味深いものがたくさんあります.

10年一昔といいますが,もうじきこの会は誕生して四半世紀;私は完全に浦島太郎です. そもそも私の立場はコンピュータミュージックではなく「コンピュータを利用する音楽学」,ということもあり,どうも最近の話題には興味がイマイチ涌いてきません. その一方,20年も前に私の興味のあったテーマは解決されて答えが出ているのか,と言えば,残念ながらそうではなく,単にだれも関心を示さなくなっただけのことのようです.

今回はインターカレッジ・コンピュータ音楽コンサートと同時開催なので,そちらも聞いてきました. でも .... 私には,少々受け入れ難い「音楽?」 が多く,けっして居心地のよい場所ではありませんでした.

秩父札所の巡礼

昨日は,秩父の札所巡りに行って来ました. 秩父市内の9所を一気に回りました. おかげで,あとたった一箇所,最後の三十四番水潜寺を残すのみで,結願目前です. 坂東はすでに結願しています. 西国もかなり進んでいますから,来年中に百観音が結願するかも知れません.

今回はすべての札所で,献笛もさせていただきました. 何箇所かでは,献笛に対してお礼を言われたりもしました. 二十六番の円融寺では,ご住職から本堂にお招きいただき,一般には公開されていない寺宝なども見せてくださいました. いずれにせよ,秩父は尺八の献笛に大変好意的なようです. 坂東の札所では,献笛を断られそうになったことが幾度となくありましたが,秩父はまったくそのようなことはありません. 禅宗の寺が多いということも関係しているのでしょうか. それとも馴れっこになっているのでしょうか .... 「虚無僧が団体で来ることもあるんですよ」などという会話が耳に入りました(^^;)

余談ですが;お昼はわざわざ音楽寺の前の「不老庵」までソバ(家内はウドン)を食べに行きました. 蕎麦は美味かったのですが,それはさておき,ここにいた猫のこと‥‥. まだ子供なのですが,性格がとても良くて,きっと飼い主に似ているのでしょう. 身体も綺麗で清潔で,これも飼い主がよく世話をしているのでしょう. ちょうど私の見ている前で,畑を掘ってウンチをしてまた土をかけていましたが,そのしぐさの可愛いこと. いえ,それだけです(^^;)


2007.12.25

年の瀬

今年もそろそろ終わりが近づいてきました. 今日はクリスマスでした(我が家では特に何も変わったことはありませんでしたが).

一昨日(23日)は,NHK交響楽団のベートーヴェンの第9をNHKホールで聞いてきました. NHKホールでこれを聞くのは2度目のことですが,前回は20年以上も前のことです. 長らく第9など聞いたことがなかったので,ただの思い過ごしかも知れませんが,なんだかテンポが随分と速いような気がしました. 私の耳が尺八の本曲に馴染んでしまったせいでそう感じるんしょうか,それとも実際に速かったのだとすると,この指揮者(アンドリュー・リットン)が速いんでしょうか.

それにしても,渋谷と言うところは,なんて騒がしい街なんでしょうね. せっかくいい音楽を聞いても,あの喧騒の中を歩いているうちに,音楽はどこかにみんな消えてしまいそうです.

N響の後は,新宿の法身寺での百銭会の忘年会に合流しました. もう納会の献奏は終了して宴会が始まっていましたが,まずは本堂に入らせていただきて,一人だけで献奏させていただきました. 宴会は,尺八キチガイ,それも本曲吹きばかりの集まりですから,それはもう,なかなか大変なものでした. 帰ったら,日付がとっくに変わっていたのは言うまでもありません.

昨日は,新宿で,宴会をかねた(非本職の仕事関係の)打ち合わせ. クリスマス・イブの新宿ですから,さぞかしの人出,かと思ったら,意外とそうでもありませんでした.

さて明日は,西国札所の続きに出かけます. 今回は琵琶湖周辺を回ってくる予定です. もちろん尺八は携えて行きますが,さて,献奏はさせていただけるでしょうか.


2007.12.29

西国巡礼

西国観音霊場の巡礼の続きで,4ヶ寺を回ってきました. 今回は,すべてのお寺で献笛をさせていただきました.

最も大変だと思っていた上醍醐も,無事に行って来られました. 家内は変形性股関節症のため,とても上までは行けないと思っていましたが,普通の人よりは大分時間がかかって100分でしたが,一緒にお参りさせていただけました. また,同じく一日ががりを覚悟していた,船で行く竹生島も,お参りできました.

ところが,山上まで車で行けるはずなので甘く見ていた観音正寺が,道が崩落していて車を通してもらえず,かと言って雨の中を40分登ることもできず(上醍醐に登った後でもあり),諦めることにしました. これは想定外でした. まあ,もう一度ゆっくりおいで,と言う観音様のお導きだということで,最後の結願寺に行く前に,足を伸ばして,行ってくることにします(その時までに道が復旧していてほしいものです).

献笛には,概ね好意的な反応をいただきました. 少なくとも断られたお寺は一ヶ寺もありません. 有難いことと,感謝いたします.


2007.12.31

除夜

新宿の法身寺で行われる,大晦日恒例の,百八曲献奏修行会に行ってきました. 本来は我々百銭会のイベントでしたが,会員以外の方も参加なさいます. 今回でなんと8回目だったようです. 私はこの言い出しっぺの一人ですので,サボるわけには行かず,毎年参加しています.

本堂で本曲を百八曲になるまでひたすら吹き続けます. 朝9時に全員で般若心経を読み,1曲目の「調子」を斉奏してから,一人ずつ交代で吹き続け,吹き終わるのは夜の8時ころになります. 吹き終わりの頃を見計らって,もう一人の言い出しっぺが,自分でうった蕎麦を持ってやって来るのですが,私は毎年昼過ぎには引き上げてしまうので,一度もその蕎麦をいただいたことがありません. 今年も10曲吹いて,お昼に近くの蕎麦屋で蕎麦を食べて,早々に退散して来ました.

これで今年の予定はすべて終わりです. ただし,年賀状だけはまだ全然書いてありません (^^;) さて困った.....

本年お世話になった皆様,どうもありがとうございました. たまたまこのページをご覧になった方々も含めて,どうか皆様,よいお年をお迎え下さい.


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