今回はアンデス音楽(チャランゴ,ギター,ケーナ)と尺八の合奏で,Wandes(和風アンデス音楽)と名乗ります.
第17回 杜のホールはしもと アンサンブルコンサート 2018年1月20日(土) 開場12:30 開演13:00開演 杜のホールはしもと(橋本駅北口 ミウィ橋本7F) 入場無料 Wandesの出演予定 13:55~14:10 曲目: コンドルは飛んでいく アルフォンシーナと海 鹿の遠音~風とケーナのロマンス
この練習をしていて,気付いた(思い出した^^;)ことがあります.
私の尺八のピッチ(音の高さ)を測ってみると,どうにも低く過ぎます. 合奏相手が440Hzか442Hzだと言うのに,尺八が438Hzくらいしかなくて,このままでは合奏が出来ません.
慌てて,ちょっと調べてみました.
この日の我が家の室温は16度でしたが,コンサートホールは23.5度をキープしているとか. 物理学で言えば,空気の温度が上がると音速が上がって,同じ筒の共鳴周波数も上がります. 計算して見ると,温度1度に対して,基準ピッチで1Hz近く変わるようです.
笛の中の空気温は室温と体温の間くらいになるはずですが,そうすると,寒い我が家で438Hzでも暑いコンサートホールでは442Hzになりそうです. これ,昔,学生たちに課題として計算させたりしていたことなのに,現実問題となると情けないことに慌ててしまいます(^^;;)
アメリカはコロンブスが1492年に「発見した」と習いました. でも,アメリカには紀元前1万年以上も前から人が住んでいたし,ポリネシアの人々は東アジアから南米まで行き来があったようです(それがムー大陸の伝説でしょう). つまり,アメリカは,何度も何度も「発見」されていたわけです.
さて,尺八を練習していると,時々,とてもうまく吹けるようになることがあります. すぐに同じ要領でもう一度やってみると,やっぱりうまく鳴ります. 何か「悟った」ような気がして,小躍りします. しかし,冷静に,何をどうしたのかをよく顧みると,前にも一度,いや,何度も何度も,「悟った」と思ったのと同じことだったりするのです. 最近は,「オペラ歌手のベルカント唱法(頭声)の要領で」,少し前は「音が滲みだすような要領で」,など. どれもよく観察して見れば,みな同じ腹の力の使い方のことでした.
微妙な身体の使い方を,どうしたら再現可能な定式化が出来るのでしょう. 出来た!と思った自分自身ですら,じきいつの間にか再現できなくなってしまいます. 結局,何度も何度も「発見」し直すしかないのでしょう‥‥それが修練ということなのでしょうね. 禅の悟りも,一度悟ったからよし,というものではない,というのと同じことなのでしょう.
善養寺師が,暮れの文化庁芸術祭賞大賞に引き続き,芸術選奨文部科学大臣賞を受賞しました. 音楽部門の大臣賞をもう一人,作曲家の近藤譲氏が受賞しました. 虚無僧尺八と,現代音楽・電子音楽の作曲家が同時に同じ賞を受賞とは,実に面白いことです.
虚無僧研究会の講演会があります.
4/29(祭日) 午後1時から総会,引続き講演会 場所:法身寺(新宿区原町3-82) 講演:東西の尺八属の笛と日本の尺八のグローバル化 講師:柘植元一 東京藝大名誉教授
これにあわせて,展覧会「世界の竪笛展」が開催されます. 私もボリビアのケーナを出展します.
出展する以上,一応,ケーナの音出しをしようと思いました. 実は,尺八を始めた20年前に封印して以来,ケーナは一切吹いていませんでした.
さて,取りだしたケーナを吹いてみると,まったく音が出ません. しばらくしてやっと音が出て,曲らしいものを吹けるようになったら,今度は尺八が吹けません. かすれた音どころか風の音すらしません. 尺八が再び鳴るまでには,途方に暮れるほどの時間を要しました. 尺八が鳴ったら,今度はまた,ケーナが鳴りません. ケーナが鳴ったら,またまた尺八がウンともスンとも言わない‥‥
2時間くらい,尺八とケーナをとっかえひっかえ,格闘した結果,やっとコツがわかってきました.
ケーナは尺八的に言えば,怖ろしい程のメリ吹きです. 尺八はその逆で,ケーナからすれば物凄い「カリ吹き」なのです. つまり,このところ多くの方に,「尺八をもっとカッて,管尻を下げて,息を前(あるいは上方)に」等々としつこく言ってきましたが,結局,これが尺八にとって重要なことなのでした. それを強烈に再確認したのでした.
情けないことに,いまだにケーナと尺八を持ち替えた瞬間は,なかなか鳴りません. 頭ではわかっても,身体は反応してくれません.
4月29日の虚無僧研究会の「世界の竪笛展」で,様々な「尺八属」の楽器を試奏させてもらいました. 日本の一節切(ひとよぎり),天吹(てんぷく),正倉院尺八(の写し)などは,現代の我々の尺八と同じく,みな<カリ>吹きであるのに対して,朝鮮の短簫(タンソ)や中国の洞簫などは尺八そっくりなのに,ケーナと同じく<メリ>吹きでないと発音しません. こんな<カリ>吹きの笛は日本以外にはないようで,これが最大の尺八の特徴なのかも知れません.
1月のコンサートのDVDが届きましたので,youtubeにアップしました. 今回は尺八とアンデスの楽器とのコラボレーションをしました. ご感想・ご批評など,お聞かせください.
「瀧源寺伝 瀧落」の瀧とは,伊豆・修善寺の大平というところにある「旭滝」です. 何年か前(7年前と13年前)に写した写真をyoutubeにアップしてみました.
瀧落の曲 と 旭滝鑑賞に堪えるような写真ではありませんが,少しは様子がわかるかと思います. 音は琴古流(付け焼刃です ^^;)の瀧落ですが,いわゆる「瀧源寺伝」と似た旋律が出てきます. 元は同じ曲のはずですが,伝承でこれだけ変わってしまいます.
伊豆では2004年の台風16号による大きな被害があり,13年前に行った時はまだ修復工事中で,写真にはその重機も写っています. この工事の結果,綺麗な観光地のような感じになりましたが,1999年に初めて行った時は,もっとひなびた,いかにも虚無僧が出て来そうな滝でした(写真が見つかりません).
先日アップした旭滝の写真+琴古流の瀧落の曲の動画ですが,曲が長過ぎて退屈なので,短くカットして吹きなおして,再度アップしました.
瀧落の曲(カット版) 旭滝6月30日(土),久しぶりにお浚い会を開きました. 無孔笛庵・吹合せ会の開闢以来の盛況でした.
1 普大寺 霧海ぢ 2 瀧源寺 瀧落 3 神如道 大和楽 4 普大寺 虚空 5 瀧源寺 瀧落 6 布袋軒 鈴慕 7 明暗寺 紫鈴法 8 一朝軒 盤渉 9 蓮芳軒・喜染軒 鶴の巣籠 10 神如道 無住心曲 11 根笹派 三谷清攬すべて独管です. 一人一曲の独管で,時間を持たせられるようになりました.
まだ7月の半ばだというのに,大変な猛暑が続いています.
この暑さで,私の尺八のピッチがえらく高くなっています. 尺八内部の空気温が1℃高くなれば,およそ3セント,基準ピッチで1Hz近く上がってしまいます. 暑い中,ピッチチューナを使って発音練習なさっている方は,基準ピッチ442Hzではなくて444Hzくらいを狙っていいかと思います. なお,くれぐれも水分補給は忘れないように(^^;)
しかし,西の方では,地震に続いてとんでもない豪雨,その上でのこの猛暑です. いかに大変なことかと思ってみても,その凄まじさは私の想像力の範囲をはるかに超えているに違いありません.
坂東三十三観音霊場の巡拝は,およそ12年前に結願しました. 西国三十三と秩父三十四を合わせた日本百観音も10年前に結願しています.
また観音霊場巡りをしようかという気持ちが少し起きて来て,昨日はいきなり第21番の八溝山日輪寺まで行ってきました. 日輪寺は坂東札所の中で一番の難所と言われていて,しかも我が家からは一番遠いところにあります. この一番大変なところを済ませてしまえば,他を回るのは楽になるのではないか,という下心です.
日輪寺は,茨城県北部,福島県との境の,栃木県にも近い,山の中です. 我が家からは片道およそ240㎞,車で5時間くらいかかります. 今回はここ一ヶ所だけの日帰りとしましたが,朝5時出発,帰着は18時過ぎでした. 運転は,家内と交代でしたが,さすがに疲れました. (ついでに「袋田の滝 =写真」も観光しました).
本堂に上がり,般若心経と延命十句観音経を諷経し,普大寺「調子」を吹いて,ご朱印をいただいてきました. いつのまにか私の尺八は,「パフォーマンス」が勝ってきているようです. パフォーマンスも大切ですが,ここらで一度,原点を見直しておく必要があるのかな,と自省しつつの献笛でした.
膝が突然に痛くなりました. 今日(30日),整形外科の診察を受けたところ,膝関節が炎症を起こしていて,いわゆる「水がたまった」状態だとのこと. ただ,骨の異常は無く,心配はないそうです. 足を動かさなければ何ともないのですが,動かすと痛いので,歩くのはかなり難儀しています.
歩けないほど痛くなったのは今朝のことですが,実は数日前から予兆はありました.
土曜日(25日)には,百錢会の浴衣会がありました. 普通は正座で吹くところ,軽い膝の痛みを感じて,不遜にも立って演奏しました. 「無住心曲」という古典本曲ではないものを「立って」吹いたせいで,まったくパフォーマンスの勝った演奏になってしまいました.
そんな演奏を反省し,原点を忘れてはいけないと強く思った次第です. それで,12年前に満願した「坂東三十三観音」でしたが,もう一度回ってみようかという気になりました. でさっそく,月曜日(27日),とりあえず一番大変な,21番八溝山日輪寺に行ってきました.
車で片道およそ5時間. 膝に負担を掛けたとしたら,この長距離運転しか思い当りません. 「とりあえず一番大変なところを済ませてしまえばあとが楽」などと浅はかなことを思ったバチかも知れません.
物凄い台風でした. 我が家では庭の木の枝が一本折れただけで,これと言った被害はありませんでしたが,家の前の道にはどこかのお宅の屋根だったと思われる大きなトタン板が落ちていました. 停電は半日以上続きました. 3.11の時を除いては,こんな長い停電は何十年かぶりでした.
後でわかったことですが,酷い塩害がありました. 庭木のうち,ツバキなどは大丈夫でしたが,アンズや梅の葉,草花たちの多くが枯れてしまいました. 我が家は地名こそ「港南区」ですが,これまで海や港が近いと思ったことは一度もなかったのですが.
多くの方にご迷惑とご心配をお掛けした私の膝ですが,現在のところ,ほぼ問題はありません.
腰痛・膝痛は2足歩行の人間の宿命なのでしょうか. 軟骨の磨耗はしかたのないこととして,それへの対策として筋力の獲得が大切なのだそうです. 思えば,私は運動と言うことを,ただ歩くことを除いて,一切して来ませんでした.
尺八のロングトーンを,ひたすら歩きながらやるという話しは,以前,紹介したことがありました. しかし,平らなところを歩くだけでは,筋力の獲得の役に立たないことを,痛感したところです. そこでこの頃,スクワット(ヒンズースクワット)をしながらのロングトーンを試しています. 息を吸って,腰を落し,「ローーー」と発音しながら立ちます. 一音におよそ10秒くらいかかりますから,乙ロ~甲イ・(大甲)・甲イ~乙ロで5分弱になります. これを,練習の最初に必ずやることにしました(一日に数回).
筋力とともに力のある音の獲得もできる‥‥かも‥‥ 効果のほどは‥‥またいずれ.
昨日の本番(港南区区民文化祭)は,無事(とは言いかねますが)終了しました. 2割の空席でドタキャンするジュリーとは違い,こちらは2割も席が埋まっていなかったような‥‥(^^;)
YouTubeにアップしました.
ついでに,一曲ずつ分割したのもアップしました.
去年は天蓋を被って独奏(琴古流の「鹿の遠音」)したので分かりませんでしたが,このホール(港南区民文化センター「ひまわりの郷」ホール)はものすごく演奏しやすいところです. ホールの響きが良くて鑑賞にも良いですが,それよりなにより,演奏者にとって最高です. 自分の音もよく聞こえ,他人の音も全部よく聞こえて,聞き分けられました. ‥‥ その割にはドジが目立つのはなぜでしょう(^^;;;) ‥‥ とにかく,邦楽でよく使う舞台とは大違いでした.
23日は虚無僧研究会の献奏会です. 私は「布袋軒 三谷」を吹きますが,2尺9寸管に挑戦(無謀にも^^;)してみます.
ところで,いつも本番(本曲に限らず洋楽でもアンデス音楽でも)までにはその曲についての何かしらイメージやストーリーが自然に浮かんでくるのですが,なぜか今回のこの曲には(今のところ)まったく何も浮かんできません. 無心で吹け,ということでしょうか. しかし,何のテライもハカライも,そして何のタメライもなく「無心」で(しかも居並ぶお歴々の前で)吹くのは,なかなか難しいことです. 「無心」とは「心を失うこと」ではなくて,逆に,フル回転するプロペラが透き通って見えなくなってしまうようなものだ,と教わったことがあります. フル回転のためには,ベアリングの摩擦を無くすことも大切です. (ん? この「摩擦」というのが「雑念」のことでしょうか)
あと二日,せいぜい「慣らし」を試みるつもりですが‥‥
先日の献奏会では,私の持っている中で一番長い,2尺9寸管を吹きました. これまでギターやピアノとの合奏にも使ってきたものなので,練習すればそれなりに吹けるだろうと高を括っていました. ところが本番直前,正座して吹いてみて,大変なことに気づきました. 管尻が床についてしまうのです!
なんでこんなことに今まで気づかなかったのか‥‥
洋楽のステージではもちろん,日常の練習でも,いつも立って吹いていたので気付かなかったのですが,正座をして管尻が床についてしまうと身体の動きに大きな制約が生じて演奏にはかなりの支障があり,とくに首を下に傾げることができず,一杯に伸ばしたままの腕をずっと上げていなければならないので,一曲のおよそ10分がものすごい苦痛です. これまで虚無研で長管を吹くと,曲の終わりころには音が震えてしまうことがしばしばあり,修行不足でアガッテしまうのだと思っていましたが,どうやらこの無理な姿勢のせいだったようです. 今回はその理由に気付いていたので,気を付けて吹いたのですが,それでも最後はブルブル震えて来てしまいました. でもまあ,なんとか献奏は無事にこなせました(と思います ^^;).
なおこれは,吹き合せの時のように机に向かって椅子に座って,机の上に楽器が来るような姿勢で吹くと,同様に起こりうるトラブルです.
先日(11月23日)の虚無僧研究会の献奏会を聞いての感想を一つ. もちろん,自分自身のことは高い々々棚の上に乗せておきます.
いろいろな流儀の,いろいろな人の,いろいろな演奏を聞きましたが,(仏様ではなく)生身の人間である私が聞いていて惹きひき込まれる演奏とそうでない演奏とがありました. つまらなく感じる原因(上手・下手とは別です)をあげてみると:
・テンポがずっと一定で揺らぎがなく,リズム(西洋音楽のリズムとは意味合いが違うとしても)のようなものが感じられない ・音の強弱や音色が一定で,一つ一つの音にも旋律に起伏がない ・息継ぎの間合いがいつも同じ ・同じ旋律を,何の変化もなく延々と繰り返す ・その結果,曲に構造や流れ,あるいはストーリーのようなものがなく,緊張感もなく,奏者の「思い」も感じられない>> 気が付いたら,以前(2015.11.24)にもまったく同じことを書いているのでした.
下記のコンサートに出演します.
お暇がありましたらお運びください.
前回と同じ「わんです」と言うグループ名で,アンデスの楽器と尺八の合奏をします.
# 「わんです」←「和」+「アンデス」
出演予定 16:10~16:25
第18回 杜のホールはしもと アンサンブルコンサート 2019年1月19日(土) 開場10:30 開演10:30開演 杜のホールはしもと(橋本駅北口 ミウィ橋本7F) 入場無料 わんですの演奏曲目: アルフォンシーナと海 ・ 霧海篪(アルゼンチンの曲・普大寺伝承曲) ブラジル風バッハ第5番~アリア(ヴィラ=ロボス作曲) ベニの浜辺で(ボリビアの曲) チラシ↓ http://com-s8.sakura.ne.jp/hojo/EC2019.png
なお,このコンサートはジャンルがメチャメチャ(^^;)で,クラシック系が中心ながら,軽音楽,邦楽,民族音楽,などなどいろいろで,レベルもいろいろです. 今回は,邦楽は我々(我々がはたして邦楽?)のほか 13:25~の筝曲,13:55~の尺八合奏の2団体が出ます.
もうじき終わろうとしている 2018 年は,地震,豪雨,猛暑,台風‥‥と,天変地異の一年でした. そして,事件や事故,人心に起因する災いも多く,それはますます増えているような気がします. 来年はどうか平穏な年でありますようにと,祈るばかりです.
今日は,恒例の「大晦日百八曲献奏修行会」に参加してきました(東京・新宿の法身寺). 今年一年に感謝し,来年一年の平穏を祈願し,11曲(うち1曲は斉奏,2曲は裏表の合奏)を献奏しました. 天気が良かったせいか午前中からいつになく多くの参加者があり,順番待ちもなかなか大変でした.
今朝は6時ころ,猫におもいっきり頭を小突かれて飛び起きました. 本当に痛かったので猫に怒ろうと思ったのですが,ふと気づいたら,もう起きて出かける準備をしないといけない時刻でした. 朝は9時開始,その前に準備もあるので,家を7時に出る予定なのでした. 猫に感謝です. おかげで遅刻しないですみました.