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日々新・時々新

更新のお知らせと日々の戯言

アーカイブ(2019.01~2019.12)


2019.01.01

あけましておめでとうございます



2019.01.09

戸塚宿七福神めぐり

今年の「戸塚宿七福神めぐり」は,私を含めて三人で回ってきました. 三人で吹く「調子」は本堂に気持ちよく響きました. 天気もむしろ暑いくらいで,この日(昨日)を選んだのは大正解でした. ただし,今年は本堂での献笛を許可して下さるところだけに絞ったので,七福神ならぬ五福神となってしまいました.

パソコン

Microsoft Excel が使えなくなってしまいました. ネットの記事を頼りに対応を試みましたが,結局,自分ではどうにもなりませんでした.

これまで,自分のパソコンに他人(業者とか)の手を借りたことはありませんでした. ついに自力でパソコンを扱うことが出来なくなったのかと情けなくて,躊躇していたのですが,意を決して,ヤマダ電機に持ち込みました. しっかり対応してくれて,きっちり30分で解決してくれました. 5000円(+消費税)かかりましたが,これからはつまらぬ意地を張らずに,素直にさっさと若者の力を借りることにしようと思います(^^;)


2019.04.01

雲林寺の花まつり

正月の「戸塚宿七福神めぐり」で訪れた雲林寺(曹洞宗)の御住職に花まつりでの尺八を誘われ,昨日3月30日,10人で「調子」を献奏してきました. 本堂の中ではなく,本堂の前に安置されたお釈迦様(象の上の誕生佛)に向かっての献奏でした.



2019.04.30

動画アップ

今年の1月に相模原でやったコンサートの動画を,YouTubeにアップしました. 御笑覧下さい(^^;)
https://youtu.be/C1KCgQmH4vA

昨年と同じく,アンデス音楽との合奏です. 1曲目は,アルゼンチンの曲と「霧海じ」の一部をつなげてみました. 2曲目はブラジルの曲(いわゆるクラシック),3曲目はボリビアの映画音楽です.


2019.05.07

木管アンサンブル

1年前から始めたフルートとクラリネットの木管アンサンブルですが,この度,初めて人前で演奏することになりました. とは言っても,近所の高齢者施設のボランティア演奏ですが. それでも,私は40年ぶりのフルートですから,不安で心配です.

心配の一つは,楽器紹介と称して,フルートの他に尺八やリコーダー(小学校で習う縦笛)も吹くことです. リコーダーは指の感覚が違ってちょっとマゴツキますが,まあなんとかなるでしょう. 問題は,フルートと尺八の持ち替えです. 縦と横の違いはたいした問題ではありません. 大問題は,口の微妙なコントロールが変わって,発音すらできなくなってしまうことです.

これは,尺八を持ち替える時でも起こります. 私は,本番前の1週間くらいは,本番で使う尺八しか吹かないことにしています. しかし,本番で複数の尺八を使う時は困ってしまいます. それで,各々の尺八での演奏曲の練習の他に,持ち替えだけの練習にかなりの時間をかけます. 一つの尺八で音を出し,安定したら次の尺八に持ち替え,音が出るまでいろいろやってみて,どうしたら鳴ったかを記憶し,また持ち替えて‥‥ これをしつこく繰り返します. 尺八毎のちょっとしたヒントを見つけたら,セロテープに細いマジックで書いて尺八の裏に貼ったりしています. こうすれば,頭が真っ白になっている舞台の上でも,楽器をひょいと持ち上げた時に思い出せる ‥‥ かも知れません(^^;)

複数の尺八をお持ちの方は,時々,これをやってみることをお勧めします. いままでそれなりに鳴っていた尺八が,別のを鳴らした後,さっぱり鳴らなかったりします. それをさっきまでのように鳴らすために,どうすればよいか‥‥  そして再び鳴った時は,前より良く鳴っているかも知れません. 私は,年に数回,手持ちの尺八(1尺6寸~2尺9寸の十数本)を全部並べて,順に,あるいはランダムに,鳴らしてみます. 気に入らない尺八を吹いてみることも,お気に入りの尺八が「相対化」できるので,とても有効です.

さて,これから十日間,フルートと尺八(今回は8寸のみ)の持ち替え練習です(^^;;)


2019.05.18

木管アンサンブル デビュー

高齢者施設でのフルート・クラリネットのアンサンブル,思いのほか好評でした(その場で,次回も頼まれてしまいました). 楽器の紹介は頗る好評で,尺八を取り出した途端に喜ばれました. 心配だったフルートと尺八の持ち替えも,無事にこなせました. フルートと尺八で同じ「春の海」を吹いたのも勝因でしょうか. ちなみに,リコーダーの楽器紹介では,久しぶり(これも20年か30年かぶり)に2本吹きをやってみました.

何年か前の,私も出演したお箏の演奏会で,藤原道山さんが1曲(宮城道雄の曲)だけフルートも担当するのを聞く機会がありました. 練習次第ではひょっとしたら私も出来るかも‥‥なんてのは思いあがりですね(^^;) 昨日はさっそく,8寸地管と2尺7寸地無しの持ち替えで狼狽えてしまいました(^^;;)

今回演奏した曲(楽器紹介は除く):

星条旗よ永遠なれ(スーザ)
弦楽四重奏曲「皇帝」~第2楽章(ハイドン)
シチリアーナ(作曲者不詳 16世紀イタリア *)
母の教えたまいし歌(ドボルザーク)
荒城の月(瀧廉太郎 *)

夏は来ぬ(小山作之助 *)
みかんの花咲く丘(海沼實 *)
ふるさと(岡野貞一 *)
東京ブギウギ(服部良一)
(* 編曲:坪井)


2019.05.19

他の人の演奏を聞いて勉強

最近,できるだけ色々な演奏会に出かけるようにしています. といっても一流のプロの演奏会にはなかなか行けないので,無料か1000円くらいまでのアマチュアの演奏会を探して通っています. 自分と同程度かちょっと上手い演奏は,とても勉強になります. ヘタ(に聞こえる)な演奏もそれなりに参考になります. ジャンルはいろいろで,オーケストラ,吹奏楽,ギター・マンドリンなどなど,今日は邦楽(現代邦楽系)を聞いてきました.

今日は,ちょっと残念な感じでした. 演奏から心とか気持ちが伝わって来ず,ただ音を出して指を動かしているだけ,という印象でした. 大きくは,そもそもなぜその曲を演奏するのか,小さくは,その音をどう響かせたいのか,‥‥  これは,オーケストラの交響曲でも尺八独奏の本曲でも,ラテンでも童謡でも,同じことです. 最終的に聞きたいのは,演奏の上手い下手ではなくて,そこのところではないでしょうか.
# というのが,今日の収穫です(^^;;;)


2019.06.02

楽器持ち替え練習

2019.05.07 の記事に,楽器の持ち替え練習の効用を紹介しました. この練習について少し補足します.

長さの違う尺八に持ち替えた時,ただ闇雲に鳴らそうとするのではなく,吹こうとしている尺八の特性,特に,その <長さ> をよく意識することが大切です. とりあえず乙ロを鳴らしてみるのが良いと思いますが,その時こそ,長さを強く意識してみましょう.

一つの尺八で,指を動かしていろいろな音を出す場合(普通の演奏)も同じことです. 歌口から管尻に向かって最初に開いている孔の位置(物理的にはこれがその時の管の長さです.乙ロの場合は尺八の長さそのもの)を意識しましょう.

これは,鳴らしたい音をイメージすることでもあります. 音のイメージにはオクターブ(甲乙)も重要です. 私は,乙音の場合は,腹の中心あたりから上述の最初の孔のあたりに向かう力(物理学で言うベクトル)を,甲音では腹の少し上,ろっ骨の下あたりからのベクトル,大甲音ではみぞおちのあたりからのベクトルをイメージしています. そして,気流そのもの(と言うより,油圧の油のイメージ)は,腹から後頭部を通って唇の隙間を通って歌口から上述の最初の指孔まで繋がった一本の導管を,(上述のベクトルの力で)圧しだされる,というイメージです.

こんなこともお試しください.


2019.06.03

江月院

明日から九州旅行に行ってきます. 三日間のパック旅行ですが,最終日,福岡の柳川の観光(水郷・柳川の掘割の川下り)があります.

柳川には「江月院(こうげついん)」という虚無僧寺がありました. 寺域がそのまま残っている虚無僧寺はほとんどなく,しかも江月院は四方がお濠で囲まれていた(三方の堀が現存)というまるで城塞のような,他に例のない虚無僧寺です. せっかくなので,私はツアーを一時脱出して,江月院(の跡地)に行って来ます.

献笛をするつもりですが,さて,何を吹けばいいのか‥‥  同じ福岡県の一朝軒の曲とも思ったのですが,一朝軒は博多ですからずいぶん遠い. 虚無僧研究会の資料(一音成仏 44号)によると,昭和6年に神如道が江月院の菩提寺で「調子」の献笛をしているとのこと. 浜松の普大寺も同じく一月寺の末だったわけですから,「調子」が無難なところでしょうか‥‥楽譜も要らないし:)

 大間山観音寺江月院
 金先派下総国小金一月寺末
 本尊 観世音菩薩
 菩提寺 天叟寺(柳川市鍛治屋町23-1 臨済宗妙心寺派)

2019.06.07

江月院に行ってきました

柳川の川下りとウナギせいろの昼食と御花の見学をパスして,江月院(の跡地)を見てきました. 掘割がいまでもしっかり機能している,ということでしょうか,江月院の跡地には一歩も入ることが出来ませんでした. まわりの民家の庭から眺められるだけでした. 写真の左が掘割の一部で,三方がこんな掘割に囲まれています. 掘割の中の,草が生え木も生えているところが,江月院の跡地です.

江月院近くの道端に小さな観音堂(子安観音)があり,そのお堂の中に江月院の香炉があるとのことで,この前で「調子」を吹かせていただきました.

そこから徒歩10分弱の,天叟寺に行きました. ここには江月院関係の墓碑が6基ある,ということでしたが,探しても見つからない. お寺で伺うと,以前はあったが,敷地を整理した結果,現在は無い,とのことでした.

御本堂をわざわざ開けて下さったので,あつかましくも御本尊の前で調子を献笛させていただきました.

それから急いでツアーの集合場所へ. 徒歩10分少々で御花(柳川藩主立花家邸宅)に着きました. ツアーでは,川下りを終え,うなぎのせいろ蒸しの昼食も終わり,御花の見学もそろそろ終わる頃でしたが,私は昼食がまだです. 慌てて近くの店に飛び込んで,せいろ蒸しをいただき,出発時刻の3分前にバスに飛び込むことができました. 因みに,江月院までの行きはタクシーに乗りましたが,ドライバーに地図を渡して説明しても,さっぱり要領を得ず,最後は自分の足で探すしかありませんでした(ドライバーさん,目が悪いらしく,地図がなかなか判読できなかったようです).


浜松 vs 柳川
 普大寺(普化宗金先派) vs 江月院(普化宗金先派)
 井伊直虎(なおとら)(女城主) vs 立花誾千代(ぎんちよ)(女城主)
  井伊家菩提寺・龍潭寺(臨済宗妙心寺派) vs 立花家ゆかりの寺・天叟寺(臨済宗妙心寺派)
 天竜川の川下り vs 掘割の川下り
 焼いたウナギ vs 蒸したウナギ
少なくとも,ウナギは浜松(私の故郷^^)の蒲焼の方が好きです :p



2019.06.23

花菖蒲

横須賀のしょうぶ園に行ってきました. 花菖蒲の季節(6月)の日曜日は,園内でコンサート(無料)があります. 毎年,6月末は善養寺師も出演します. 馬場信子(琴),善養寺惠介(尺八),よしうら けんじ(パーカッション).

今日の1曲目は「春の海」でした. 演奏が始まる前,園内の花菖蒲を見て回ると,「春の海」という花菖蒲があるんですね. 知りませんでした.

今日は,僅かに小雨を感じる程度で暑くも寒くもなく,紫陽花や菖蒲を見るには絶好の日和でした. しかし,なんとも,とんでもない暑さがあったりまた寒くなったり,局所的なベラボーな雨が降ったり,‥‥,とにかく荒っぽい気候天候が続きます. どうぞご注意ご用心のほどを. この夏,荒っぽい台風など来ませんようにと,祈るばかりです.



2019.06.29

アゴメリ

「ロの大メリ」や「ナヤシ」など,「アゴメリ」(「指メリ」に対して)を説明するのは」なかなか大変です. 頭をコクリと傾げるだけではなかなかうまくメれません. 「顎を引け」だの「上唇を被せて」だの「管尻上げろ」だの「尺八をちょっと圧しつけて」だの,‥‥,いろいろ言いますが,どうも上手い表現が見つかりませんでした.

偶然,サックスのビブラートの練習方法をネットで見つけました. 昔のムード歌謡のサックスみたいな派手なビブラートです. ネットによると,マウスピース(サックスの音を出す部分)を咥えて,「オウオウオウ‥‥」と発音してみろ,とのことでした.

これです!  例えば,「調子」の最初の「4ツレーゝ~」を「4ツレーゝおう」に置き換えてみます(~はナヤシのつもり). どうですか? 頭をコックリしなくても「お」のところで音が下がりませんか? 「う」で元に戻します.

すると,虚空の3段目の後半「ツレ~~~~ゝツ~~~~ゝ」は「ツレーおうおうおうおうゝツーおうおうおうおうゝ」となります. お試しください.


2019.07.01

リズム

このごろ,本曲の「リズム」ということが気になっていて,本曲とはいえ,やはり「拍」を感じることが大切だ,という考えに至っています.

本曲(普大寺系の曲を念頭に置いています)の「拍」は,数秒(4秒くらい)に一つという感じです. メトロノームで表せば15くらい(10~30bpm)で,つまりこれは,呼吸に由来する「拍」なのでしょう. 西洋音楽ではありえないテンポです(メトロノームにこんな目盛はありません). 実際,生身の人間では正確にこのテンポを刻むことは不可能でしょう. それでもやはり,「拍」を感じないと演奏にはなりません.

しかし,拍があるだけではリズムにはなりません. リズムは,繰り返しと揺らぎが必要です. ただのデタラメな音はもちろんリズムにはならないし,正確な繰り返しの時計の音にもリズムは感じません. もし時計にリズムを感じたとすれば,それは本人の知覚の方が揺らいでいるからでしょう.

そして一番大事なことは,「拍」に基づいてどうするのか,ということです. たとえば西洋音楽で言う弱起(アウフタクト)とか,演歌や民謡やジャズで言う「タメ」とか. そういったことが本曲の中でどうなっているのか.

参考になるように思っているのは,下記の二つです. 一つは,小泉文夫先生のお考え. 今手元にはこの↓本しかありません(本格的な研究書「日本伝統音楽の研究」は手放してしまいました‥‥老前整理^^;)が,この第2節「日本人のリズム感」で,西洋音楽とも比較して論じられています.

小泉文夫:日本のリズム,「音楽の根源にあるもの,青土社」所収(pp.33-59).
もう一つは,藤原義章さんの本↓です. 藤原さんはヴィオラ奏者・指揮者で,いわゆるクラシックの人です. 旧来の日本のリズムに関する教育を批判し,アウフタクト(「弱起」という言い方そのものを藤原さんは批判しています)を中心に丁寧に論じています.
藤原義章:リズムはゆらぐ,白水社.

まだ考えははっきりとしていません. またいずれあらためて‥‥


2019.07.07

リズム(補足)

上で書いたリズムの件は,主に普大寺系の曲を念頭にしています. 根笹派は少し感じが違うし,琴古流や明暗寺の紫鈴法,一朝軒の吾妻の曲など,そもそも「ゴマ点」で拍が書いてあります.

さて,上では『本曲とはいえ,やはり「拍」を感じることが大切』と書きましたが,すると,「拍」を感じなかったらどうやって音の持続時間を決めるのか,と訝しまれると思います.

故横山勝也先生がこんなことを仰っいました. 「音の長さは,音そのものが知っている.たとえば「調子」のツレ―をどのくらい伸ばすのか‥‥ツレ―という音そのものが知っているからその音をよく聞きなさい」と. 脳梗塞でお倒れになった後の,ご自身では演奏が出来なくなってからのお話しでしたから,余計に私の心に響いたのでした.

それまでは,師匠の演奏と同じようになることを狙って練習していたわけですが,横山先生のこのお話を聞いてから,少し考えが変わりました.

しかし,「音が知っている」と言われても,結局はどうしてよいのか分かりません. それで,「音をよく聞く」というのはどうも音(というか演奏行為)に内在する「拍」を感じることではないか,と思うに至った次第です.


2019.07.14

MMCJオーケストラ・コンサート

MMCJ(ミュージック・マスターズ・コース・ジャパン)のオーケストラ・コンサートを聞いてきました. 先日は,このコースの講師たちによるガラ・コンサートを聞きましたが,今日は受講生たちと講師陣,それにOBOGを中心とするサポートメンバーによるオーケストラです. 先日のガラ・コンサートでは,久しぶりに本気で拍手をしたのでしたが,さて今回は‥‥

とりあえずビックリしたのは,ホルンが音を外さないこと:o このところアマ・オケばかり聞いていたので,ホルンって尺八同様,「効果音楽器」かと思ってました:p それから,木管楽器かと思うような繊細なトランペットにも驚きました.

まあ,そんな単純なことはさておき‥‥

とりあえず1曲目は,指揮者なしの交響曲(ハイドン44番)でした. 一糸乱れぬ見事な出来で,要するに,このコースの一番の目標がアンサンブル,ということなのでしょう. ちなみに,2曲め以降は指揮者がいました.

コンサートマスターの身振りは見事だし,そしてオケの全員も身体を使って演奏しているようでした. まるで,「のだめ」のSオケでも見ているような気がしてきました. 「楽器で歌う」という表現がありますが,歌うというより,まるで「舞い踊る」ようでした.

アマオケでもプロオケでも,こんな演奏はまず聞くことはできないだろうと思います. アマオケにこんな技術はあり得ないし,一流のプロオケにこんな情熱はないでしょう. ましてや,マンネリ化したアマオケは‥‥

今日の彼ら(受講生たち)にとって,今・此処・この演奏がすべてなわけで,本当に純粋に,本当にまったく真剣に,音楽に没頭しているのがよく伝わってきました. 終曲(シベリウス交響曲2番)の最後の音を弾き終わった弓を,全員,上に突き上げていましたが,ダサい嫌味なパフォーマンスとは全然感じませんでした. 盛大な拍手にも,ついにアンコールはありませんでした. アンコールの準備をする余力も無かったでしょうが,そもそもこの最後の音で,みんな燃え尽きちゃった感じでした.

客が帰り始めてもステージの上は,演奏者たちが握手を交わしたり抱き合ったりしていましたが,この姿の方がアンコールより何倍も感動的でした. この中の何人かはやがて世界のトッププレーヤーになるのでしょうが,全員がそうなる保証はありません. オーケストラを聞いて,目から塩水が出てくることは滅多になかったのですが,歳のせいでしょうか‥‥  ちょっと困りました(^^;)


2019.07.16

梅雨寒

お中元のお礼状をしたためていて,気が付きました. 昨年のお礼状には「暑中お見舞い」と書いたのでした. ところが今年は一体どうしたことか,いまだに梅雨寒が続いています. あの猛暑にも閉口しましたが,この天候にも困ります.

思えば,4年前の夏もかなり異常でした. やっと梅雨が明けた途端,大変な猛暑. その後は逆に,とんでもない寒さ. 私は8月にダウンの上着を着て外出した,と記録しています.

あの異常気象で多くの人が命まで落としたようですが,私の母もその一人となりました. さっき,お盆の送り火を焚いてきました.


2019.07.22

87歳!!

参議院選挙がありました. (結果についてとやかく書くのはやめておきます).

私の(遠い)縁者が立候補し,みごと,落選しました. かつて4期連続で参議院議員を勤めましたが,引退してから24年(つまり4期分)です. 今回もし当選して任期満了できたなら,93歳になるところでした :o  憲政史上最高齢議員には1年及びませんが,参議院での最高齢には,当選と同時に並ぶところでした.

それにしても,87歳で国政選挙とは,たいした元気さです(医者には強く止められたそうですが). 20年後の私(私は20年後に87歳です)に,尺八を吹く元気が残っているでしょうか‥‥  でも,本曲には当選も落選もありません(繰り上げ当選(^^;)も). 40歳で吹くのと60歳で吹くのと,80歳で吹くのとは,それぞれ全然別のものでいいでしょう. 100歳になっても,息さえしていれば(!?),その息が100歳の本曲になるだろうと思います.


2019.08.19

お浚い会

8月17日(土) のお浚い会は,参加者が想定よりやや少なくなったものの,良い会となりました. 下記の8曲が吹奏(独管)されました.

 一朝軒 阿字観(2曲)
 一朝軒 吾妻の曲
 普大寺 霧海じ(2曲)
 瀧源寺 瀧落
 根笹派 松風
 一閑流六段

その後,坪井編曲の「虚鈴」の合奏練習を行いました. 結果は‥‥ とりあえずウ~ン(^^;) という感じですが,目標の虚無僧研究会は11月23日ですから,編曲も見直しつつ,少しずつ合わせていけたらと思います.

終了後は,戸塚の居酒屋にて懇親会をしました. 注文をし忘れるという失敗のせいもありますが,以前に比べると飲み食いともに減っている感じですね. (昔のハチャメチャな飲み会ではなくて)節度のある,しかし内容の濃い,楽しい良い会になりました.


2019.08.22

風,季節の気配

厳しい残暑はまだまだ続きそうですが,でもなんだか,ちょっとだけ風の気配が変わってきたような気がします. 因みに,明日は処暑です.

こういった,目には見えないちょっとした気配,「風が変わる」というような季節感は,西アジアやヨーロッパでは分からない,東アジア,特に日本ならではのものなのでしょう. 音楽に関して,東アジア・日本の「農耕的季節感」と西アジア・ヨーロッパの「牧畜的即応性」,ということを(故)小泉文夫先生は仰っています.

ところで‥‥ 普大寺伝の「霧海篪」ですが,私は,どうにも捉えようのない曲だと思っていました. 西洋音楽的な意味での構造がさっぱりつかめませんでした. けれど,「牧畜的即応性」ではなくて「農耕的季節感」で感じてみると,納得できるような気がしてきました. 前半では「チのメリ」を使ったフレーズが,高音を過ぎて後半になると,「チ」ではなく「チ」を使ったフレーズに変化します. この「チ」から「チ」へのさりげない変化が,私には腑に落ちませんでした. しかしこれを,季節の変わり目の気配,風の色の変化とでも捉えればよいのかな,と思い至っています.

繰り返し構造のある西洋音楽にたいして,我々の音楽は「季節の移ろい」がその構造の根源なのかも知れません.

8月初めの百錢会の浴衣会では霧海篪が21曲中3曲(うち1曲は私),先日の我々のお浚い会では8曲中2曲と,このところ霧海篪づいていて,こんなことを考えた次第です.


2019.09.08

フルート新調

フルートを新調しました.

7年ほど前にも,フルートを一本買いましたが,それまで持っていたフルートは,今からなんと,50年と9ヶ月も前に買ったものでした.

昔,17歳の貧しい学生が,僅かな小遣いをせっせとためて,慣れないアルバイトもして,やっと手に入れたフルート Nikkan FL-23. あれから50年!  人生の半分以上の時間を,このフルートと一緒に過ごしたことになります.

7年前のフルート YFL-211 は,一番安い初心者用のフルートで,そもそもフルートとしてではなくて縦吹き(オークラウロもどき)のために買ったのでした. 最近,「フルートそのもの」(横吹きの)を吹き始めたので,少し良いフルートが欲しくなったのですが,どう考えても今度買うフルートはこの先50年は使えっこないし,20年どころか10年がせいぜいです. でも,だからこそ,思い切って,そこそこ良い楽器にしてみました.

さて問題は,50年連れ添った Nikkan です. (7年前のは,縦吹き用と新しいフルートの予備として,手元に置きます).

器物は百年経つと「付喪神」になると言います. 50年を過ぎたフルートは,既に少しくらい霊力が宿り始めているかも知れない. かと言って,こんなに長く連れ添った,まだ使える楽器をゴミのように捨てるなんて,とてもできません. それこそ化けて出そうです.

Yamaha では,買い替えに限って下取りをしてくれるとのこと. Nikkan は今では Yamaha です. もし製造元に帰って行けるなら,それは,人も生き物も死んで土に帰るのと同じようなことだから,それにこしたことはありません. そう思って,思い切って,下取りをお願いしました. しかも,下取りした楽器は,楽器リペアの実習教材として活用するのだとか. フルートには,最後の活躍を祈りつつ,精一杯の感謝を込めて.

(組み立ててあるのが新調したフルート YFL-777,ケースに収まっているのが古いフルート FL-23)

2019.09.11

二度目のフルート

昨日,二度目のフルートの本番がありました. といっても,前回と同じ,高齢者施設でのボランティア演奏です. 今回演奏したのは

星条旗よ永遠なれ(スーザ)
交響曲40番~第3楽章メヌエット(モーツァルト)
夜想曲(ボロディン)
荒城の月(瀧廉太郎)

見上げてごらん夜の星を(いずみたく)
旅愁(オードウェイ)
高原列車は行く(古関裕而)
ふるさと(岡野貞一)
東京ラプソディ(古賀政男)

この前と同様,前半と後半の間に,楽器紹介を入れました. 私は,フルート,尺八,リコーダー(鳥の鳴き声と2本吹きも)を担当し,他に,篠笛,ハーモニカ(ブルースハープ),クラリネットの解体ショーなど.

高齢者施設と言っても,デイサービスで通ってくる方たちなので,比較的お元気です. 行進曲の「星条旗よ永遠なれ」でいきなり手拍子が始まったのには,ちょっと驚きました. 「高原列車は行く」とか「東京ラプソディ」のような,元気の良い曲の方が好評のようでした.

買ってまだ数日の新しいフルートを使ってみました. 音もいいし,ボリュームも出ます. 隣りのクラリネット吹きからは,いままでフルートに遠慮して吹いていたけど,もうその必要はないね,などと言われました.

ただ,大問題は,今までのフルートと違って,リング・キーなので,押さえ方で隙間が出来てしまって発音できなくなります. とくに,最低音の C がどうにもうまく鳴らせません. 「でも最低音なんて合奏では滅多に使わないから大丈夫だろう」と高を括っていたら,なんと,夜想曲にしっかり最低音がありました (@ @;) オリジナルの編曲にはなかったものを,私がわざわざ C を使うように再編曲したのでした (. .;) 直前まで,2回に1回は失敗する状況でしたが,本番はなんとか失敗しないですみました (^ ^;)

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この本番のあと,今週末にある本番のリハ(初めてで最後)がありました. 体力もさることながら,神経を本番で使い果たしていて,一旦途切れた緊張はどうにも取り戻すことができないままの,情けないリハで,このまま次は本番です. 曲は,三部合奏「調子」(善養寺惠介編曲)で,私は2尺4寸(A)管と2尺7寸(G)管を持ち替えで担当します. くわしくはこちら. 私の出演は15時半過ぎころのようです.


2019.11.06

急に秋

いつまでも暑い--極端に暑い--夏が続いて参っているところに,とんでもない台風が襲来し,ふと気づけばもう,秋. いきなりの秋です. 夏の風の色が変わって,次第に秋になる‥‥そんな情緒を味わう余裕はありませんでした. 8月22日には,「目には見えないちょっとした気配,『風が変わる』というような季節感」なんてことを書きましたが,どうも,そんなのは失われてきたみたいです. 日本の音楽も変質していく(しつつある)のかも知れません.

風に情緒はなくても,風邪の季節はやってきます. さっそくひいてしまいました. 検査の結果,幸い,インフルエンザではありませんでした.

11月3日,港南地区センターまつりにて,フルートを吹きました(アンサンブル・ヌー). 不特定多数のお客様の前でフルート吹くのは,実に45年ぶりのこと. 当日の朝の血圧と心拍数が異様に高くて,こんなに緊張するのかと少し情けなく思ったのですが,実は風邪の前触れ(防御反応)でした. その数日前から微熱は出ていたのでした. でもまあ,45年ぶりのフルートは破綻するほどの失敗は無く,なんとかこなせました. 録音がないのが幸いです(^^;;)

 星条旗よ永遠なれ(スーザ)
 交響曲第40番~第3楽章メヌエット(モーツァルト)
 荒城の月(瀧廉太郎)

毎年,夏の終わり~春の始めあたりは忙しいのですが,今年は例年にましていろいろあります(ありました). 次は今月23日の虚無僧研究会. 鎌倉・建長寺の法堂で,私の独管は「霧海篪」,無孔笛庵の合奏で「虚鈴」を演奏します. その次は,12月8日に,赤坂区民センター区民ホール. 年が明けると,「杜のホールはしもと アンサンブルコンサート」です. その間に,非公開のイベントがいくつかあります. 公開のイベントについてはこちらに記録と予定があります.



2019.11.24

建長寺で献奏会

虚無僧研究会の献奏大会が,11月23日,鎌倉の建長寺で行われました. 会場は「法堂(はっとう)」です. 無孔笛庵として,「虚鈴(普大寺伝)」を合奏しました. 1尺8寸(D)管と2尺7寸(G)管の合奏に編曲したものです. 古典本曲ばかりの場でこういう演奏をして,果たして受け入れてもらえるのか,いかほどの顰蹙を買うことになるかと,ヒヤヒヤしていたのでしたが,懇親会の席など伺うと,そこそこの好評で,安堵しました. やっていても,なかなか気持ちよく響いていたとは思います.

私は他に独管で,同じく普大寺伝の「霧海篪」を献奏しました. この曲を選んだのは, (1) 私は「霧海篪」という曲から「観音経」をなんとなく連想してしまいます. しかるに,法堂の本尊は千手観音です. (2) 天井画「雲龍図」の「雲」から「霧海篪」の「霧」を連想できます. 天井の雲龍と会話する気持ちで吹きたいな,とも思いました. そんなことからこの曲を選んだのでしたが,果たして,観音様と天井の龍は受け入れて下さったでしょうか.

当日は雨が降って風があり,ずいぶん寒い1日となり,会場には暖房もなく吹きさらしなので,少々辛いところはあるものの,千手観音の真正面,雲龍図の真下で尺八を吹くというのは,よい経験になりました.

実は,私にとって建長寺は少々特別なお寺でもあります. 私は,尺八を始めて(善養寺師について)21年になります. 尺八を始める2ヶ月ほど前から坐禅にも通い始めたのですが,それが建長寺の坐禅会だったのです. 私にとっては,尺八(古典本曲)と(建長寺の)坐禅とは切り離すことができません.



2019.12.01

もう師走

道のアスファルトに枯葉が落ちていました. その中に一つ偶然にも,舗装の隙間に突き刺さって立っているのがありました. 思わず,カメラに収めました. 人為的に刺したんじゃないですよ,たぶん.少なくとも私はそんなことしていませんよ (^^;;)

さて,今日はもう12月. なんとも気忙し無いことです‥‥



2019.12.12

マタタビ

先日,とある駅構内で猫グッズの店を見かけ,つい,マタタビ入りの「猫のお手玉」なるものを買ってしまいました.

帰宅し,さっそく猫にあげると,最初に一瞬キョトンとした後は,大変な勢いでお手玉にジャレつきます. すっかり気に入ってくれたものと思い,私はそのまま夕食にしました. 夕食を終わって猫のそばに戻ると,猫は涎を垂らし,妙な目つきで,朦朧としながらお手玉を絡み付いていました. 狂ったとしか見えない,怖ろしい有様です. 慌ててお手玉を取り上げました.

お手玉を取り上げられてもしばらくは朦朧としているようでしたが,今度は狂ったようにキャットフードを食べ始めました. いつもの量を平らげて,まだ欲しがるので,後悔の気持ちもあって,つい欲しがるだけあげてしまいました. それを食べ終わるやいなや,今度は食べた物をすべて吐いてしまいました. 吐いた後は,怯えたような様子で壁際にうずくまってしまいました.

人間は自分で覚醒剤や麻薬に手を出すわけですが,猫は人間の勝手でマタタビを与えられます. もう二度とこんなものは買って来ません.


2019.12.25

ボランティア演奏

私がフルートで参加しているアンサンブル・ヌーの、高齢者施設での三回目のボランティア演奏がありました。 ちょうどクリスマスなので、クリスマスにちなんだ曲を多く選んでみました。 ただ、クリスマスと言っても、本来のクリスマス志向で選んだので、お楽しみ志向のクリスマスとはちょっと違って、やや物足りなく感じられた方もいらっしゃったかも知れません。 来年はもう少し軽く考えることにしようと思います(^^;)

星条旗よ永遠なれ(スーザ)
愛のあいさつ(エルガー)
クリスマス・キャロルのメドレー
 もみの木(ドイツ民謡)
 もろびとこぞりて(不詳)
 アヴェマリア(グノー)
メヌエット(クリーゲル)

星に願いを(ハーライン)
見上げてごらん夜の星を(いずみたく)
東京ラプソディ(古賀政男 )

東京ブギウギ(服部良一)

2019.12.31

大晦日百八曲献奏修行会

新宿の法身寺(虚無僧研究会の本部でもある)で行われる恒例の「大晦日百八曲献奏修行会」に参加してきました. 今年は,斉奏1曲(第1曲の調子)と合奏2曲(調・下り葉の裏表合奏)を合わせて,13曲を献奏しました.
→献笛の記録

今年は,出演の機会が例年よりやや多かったように思います. 尺八の他に,フルートでの演奏もありました. フルートは,公開のイベント以外にも,高齢者施設でのボランティア演奏も何度かありました.
→演奏会の記録

今年は,いろいろな演奏会に,できるだけしばしば出かけてみました. 特に,アマチュア・オーケストラのコンサート(入場無料~1000円程度)はたくさん聞きました. 上手い・下手ということとは別に,どのコンサートも充分に楽しめたし,自分が演奏する上で大いに参考になりました. ただ残念なことに,「○○三曲協会」「●●三曲会」などの類は,まるで楽しめないし,ぜんぜん参考にも(反面教師と言う意味以外では)なりませんでした. 何年か前,そんな三曲関係の会員募集を見つけて連絡を取ったところ,「自分たちはプロだから,どこの馬の骨とも知れないような者を会員にするわけにはいかない」ということで,門前払いにあいました. 「私は善養寺惠介の弟子で‥‥云々」と言いかけましたが,そもそも「善養寺惠介」を知らない :o バカバカしくなってやめました. 邦楽の「プロ」と西洋クラシックの「アマチュア」との,あまりの違いには「唖然!!」としか言いようがありませんね.


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