明治学院大学の創立150周年記念公開講座「音で聞く歴史と国際関係-戦争と平和-」の第一回を聴講してきました. なかなか興味深い内容です. 全5回ですが,上手い具合にすべての回がちょうどたまたま都合が良くて,参加できます. 全5回通して申し込みをしています. 残席分については当日会場受付での1回受講もできるとのことですが,今日の様子ではまだまだ余裕がありそうです.
内容は,講演と生演奏です.
今回は総論ということでしたが,なかなか面白いお話が聞けました.
今回の講師は明治学院大学准教授の半澤朝彦氏一人でしたが,次回からはテーマ毎にいろいろな方が登場されます.
詳しくは↓
http://www.meijigakuin.ac.jp/extension/pamphlet/yokohama_2013.pdf
なお,半澤氏は講義の他にチェロの演奏も担当なさいます.
今回の演奏曲の中に,偶然にも,再来週の「杜のホール アンサンブルコンサート」で我々(TKB52)の演奏予定の曲が2曲入っていました. どちらもヴァイオリンとピアノで,1曲は宮城道雄の「春の海」,もう1曲はグノーの「アヴェマリア」. ん~,聞くのはいいけど,なかなかこれが難しい曲です. とくにアヴェマリアを聞かせられる演奏にするのは大変です. あとたった2週間‥‥
因みに杜のホールはしもと アンサンブル・コンサートは,今月25日(土),10:00開場,10:30開演,入場無料,です. 会場の「杜のホールはしもと」は,橋本駅北口 ミウィ橋本7Fにあります. 我々の出演は2時半から3時ころになるようです. 演奏予定は
杜のホールはしもとのアンサンブル・コンサート,まあ大過なく,終了しました. 最初にやった1尺6寸管での2曲はほとんど注目されませんでしたが,違和感なく我々の演奏に入れたことと,次の長管を印象付けるのには良かったと思います. 2尺9寸の長管は,とりわけこれでの本曲風のアドリブは,さすがにそこそこ注目されたようです. 最後の2曲の本体フルートの「代用オークラウロ」は,今年もかなりの注目を浴びました.
一つ残念だったことは,音が,とくに相棒のギターの音があまり響かなかったことです. どうやら,ステージリハで決めた位置とはかなり違うところに椅子をセットされていて,気が付かずにそのまま演奏を始めてしまったのでした. 演奏を始めてすぐに,隣りで弾いているギターの音が全然聞こえないことに愕然として,位置がずれていることにも気づいたのでしたが,後の祭り‥‥ 演奏を始める前にしっかり立ち位置も確認すべきであること,肝に銘じます.
このコンサートは,ステージの裏方や運営もすべて出演者たちで分担して行います. 今年は私は,ステージ係りを担当しました. ピアノを動かしたり,椅子や譜面台の出し入れをしたり. この置き場所をテープなどで印ししたりすることをバミリと言いますが,今回はピアノ以外はそれをしませんでした. その結果が,我々の立ち位置の失敗でした :(
ところで,私と一緒にステージ係りを担当した一人は,フルート・アンサンブルの女性でした. 我々の担当の中に,尺八の合奏がありました. その楽譜を見たフルートの彼女は,どうしてこれで演奏ができるの?と,深く訝しんでいました. 五線譜になじんでいる人が初めてこんなものを見たら,そりゃあ驚くでしょうね. 邦楽譜は音高ではなく演奏法・指遣いが書いてある「タブラチュア」であることを説明しましたが,納得してくれたかどうか. 尺八を吹いている私自身,本曲以外の曲は五線譜でなければ演奏できません.
さて,アンサンブル・コンサートも終わったことなので,次の厄介な仕事が始まりました. ややこしい,面倒くさい,尺八縦譜の作成です. 読むのも面倒くさいですが,作るのはその何倍も面倒くさいです :p
毎年恒例の「三曲歌ざんまい」(2月22日,日本橋公会堂),今回の百錢会の演奏曲は「吾妻の曲」です. 編曲はほぼできています. しかし,楽譜は五線譜の状態です. これを,みなさんに演奏していただくには尺八の縦譜にしなくてはなりません. 吾妻の曲の中間部はなかなかリズミックです. それを今回は,カノン(輪唱)風に編曲しました. おかげで,リズムの表現が大変です. 五線譜のように,一瞥でリズムを把握できるような縦譜が書けたらいいのですが,どうにもうまく行きません. 縦譜は縦譜でいいところがあり,本曲みたいなものは縦譜でなければうまく表現できません. しかし,その本曲だって,こんな風に編曲したら縦譜ではうまく記述できません. 尺八吹きのみなさんがみんな五線譜を読めるようになると,邦楽の世界もかなり変わると思うのですが.
尺八3部合奏による「吾妻の曲」.
一昨日の初合わせ,初見のわりにはなんとかなったような気がします.
でも編曲にはその後も不満が出て来て,いくつか修正しました.
これでまあ,編曲は一段落かな,という感じでいます.
デモ演奏をyoutubeにアップしてあります.
尺八3部合奏による「吾妻の曲」(DTMによるデモ音源)
「アンサンブルコンサート」のこともあり,しばらく本曲を全然吹いていませんでした(編曲作業の一環で吾妻の曲は吹きましたが). それで,天気も良かったので,ちょっとお寺を回って,献笛をしてきました. 「戸塚宿七福神めぐり」というのが今年から始まったそうで,そのうちの3ヶ寺に行ってきました. 久しぶりに本堂に向かって吹く尺八の音,気持ちよく響きました.
七福神めぐりのイベントは終了しているようでした(1月5日~12日だそうです)が,いづれ(来年の正月? いえ,近いうちに^^;),あらためて8ヶ寺(七福神なのになぜか8ヶ寺^^;)をまとめて回ってみようと思います.
ここ横浜としては,久しぶり(十何年かぶり)の,本格的な雪でした. 家の中もそこそこ寒かったです,もちろん. でも,酔狂なことに,電気のエアコン,灯油ファンヒーター,電気炬燵など,夕食が終わるまで,ついに使わずに過ごしてみました. ただし,充分に厚着はしました.
日がな一日,尺八を吹いていました. まずは,尺八のロングトーンをしながら階段を上ったり下りたりして,充分に暖かくなりました. その後は,少しほころび始めた梅の枝に降り積もっていく雪を眺めながら,根笹派の曲を吹いていました;津軽の武士を気取って. もちろん弘前の寒さとは比べようもないわけですが‥‥,コミ吹きで身体が暖かくなるような気がします. 因みに,この時の室温は,7度~8度でした.
雪を見ながら尺八を吹いていたのは,板の間にゴザを敷いただけの物置小屋みたいなところです. 午後からは,茶道で使う「風炉」を火鉢代わりにして,炭をおこしてみました. バーベキュー用の炭なのがイマイチですが,炭の匂い,仄かな暖‥‥そんなところで吹く尺八. なかなかオツなものです.
因みに夕食は「鍋」にしましたから,これに「熱燗」で,もう暖房は不要. ただ,今ちょっと頭が痛いのは,呑みすぎ ^^; か,一酸化炭素中毒 :| か,はたまた風邪 :( か,やや心配なところではあります.
~三橋貴風【山月記】を吹く~ という副題のついたコンサートを聞いてきました. その中で強く記憶に残るのは,まさにその【山月記】でした. スペシャルゲストのデーモン閣下による,中島誠の「山月記」の朗読です. 恥ずかしながら,私はこの小説を知りませんでした. 最初は朗読より尺八の方に気をとられていた(それがとても悔やまれます)のですが,途中から,朗読に,その内容に,圧倒されました.
「臆病な自尊心」と「尊大な羞恥心」. 他人ごとではありません. 私もこの李徴(りちょう)とおなじで,虎になっても不思議ではないのかも知れません. いや,虎になるほどの迫力はないから,トラネコ程度 :p でしょうか. 虎でもトラネコでも,人とは違う異類のあさましさに変わりはありません.
あ,言っときますが,私はトラネコ,好きです. 最近,我が家にご近所のトラネコが時々遊びに来てくれるので,煮干し(塩分無添加の)を用意して待っています. でも,自分がトラネコになりたいわけではありません.
因みに,この小説は青空文庫で読むことができます.
>> 中島敦:「山月記」,青空文庫
いや,それにしても,「臆病な自尊心」と「尊大な羞恥心」,なんとも上手い表現です.
三曲歌ざんまいが,無事に終了しました. 合奏練習は3回して,本番前の楽屋(善養寺師匠は舞台に出ずっぱりなので抜きで)でもやりましたが,本番が一番良かったようです. とりわけ,楽屋で合わせた時は,あまりにもあわなくてオノノイテしまったほどでした. ところが,本番では,かなりよく合っていました. 感動ものです(^^;)
昨日,急遽,ビデオカメラを買いました.
それを今日,いきなり家内に持たせて,録画してもらいました.
なにしろ,初めてのビデオ撮影ですから,アングルは悪いは,アップはし過ぎるは,動かし過ぎるは,とにかくなかなか辛い出来ですが,まあ,それでも記録です.
youtubeにアップしました.
>> 尺八3部合奏による「吾妻の曲」(編曲:坪井應龍,演奏:百錢会(会主 善養寺惠介)有志)
今年の三曲歌ざんまいには,人間国宝の山本邦山師が出演するはずでした. 突然のことでしたが,直前の2月10日に,お亡くなりになってしまいました. 私が尺八を始める(1998年)前からお名前を存じ上げていた三人(山口五郎,横山勝也,山本邦山)のすべてが,おられなくなってしまいました. ‥‥というか,これしか知らないような者が,よくも尺八なんか始めてしまったものですね :p
最近,尺八からちょっと浮気(^^;) して,フルートの教室に通っています. 「副科」というつもりです.
私は,まあそこそこフルートは吹けるつもりでいました ‥‥ 自己流ではありますが. フルートの吹き口を尺八型にして,「代用オークラウロ」などと言って人前でも吹いたりもしてきました. それで,フルートを少々なめていたようです. 教室にはまだ数回しか行っていませんが,いきなり「明らかな自己流」といわれ,いろいろな指摘を受けました(^^;)
いただいた指摘の中には,尺八を吹くのにも参考になることがたくさんあります. 惰性で尺八を吹いている間に忘れてしまっていたこと,あるいは,尺八とフルートを相対化することで初めて気づいたこと,‥‥ これからもそんなヒントが得られそうな気がします.
これまでのところでいくつか記しておきます.
他にもいろいろ指摘されましたが,一々ご尤もなことばかりです. 当たり前のこととして知っているのに,つい迂闊であったというようなことも多いのですが. ただ,すべて尺八に当てはまるわけではなくて,尺八とは相反する事もあります ‥‥ そういうことは無視するかも知れませんが,それも含めて,尺八を相対化する手立てになりそうです.
昨年秋の近所の神社のも祭りから始まって,なんだかんだと出番が多かったのですが,先日の「サークル発表交流まつり」で一段落しました. この半年で,大小合わせて10回ほども演奏の機会がありました. 尺八を始めてからは初めてのことです. 記憶にはありませんが,昔のフォルクローレ時代にもこんなことはなかったと思います.
出番が多くて,少しでも上手くなったのかというと,それはそうでもないようです. 何しろ曲種が出鱈目ですしね(^^;)
しかし,度胸は少しついてきたと思います. 度胸は大事です. 舞台に上がっても平常心でいられること. いや,平常心ではないですね. 平常心より昂揚していなくてはいけない,けれども,己を失くすようではいけない. まだまだですが,少しはそのあたりが進歩したように感じます.
先日買ったビデオカメラで,再び家内に撮ってもらいました.
さて,これから7月ころまで予定はないので,しばらくのんびりしようと思います :) のんびりしながら,基礎練習と,本曲の真面目な練習をします.
つい先だってまでダウンのジャケットを着てマフラーをしていたのに,昨日今日と上着も要らないほどの温かさ. 桜も開花したようです. 我が家の「猫の額」のような庭では,梅は終わり,数日前に満開だった杏子(→)がまだ少し残っています.
外の空気の気持ち良い日は,庭のベンチで花木を眺めながら,真昼間からビールを飲んだりしています. その庭に,よく猫(←)がやってきます. ビールのつまみを煮干しに決めているからでしょうか,ちょっと親しくなりました. お酌はしてくれませんが,こんな顔を見ながら飲むビールは格別です.
この猫,ノラなのか,どこかの飼い猫なのか,わかりません. ノラのようでもあるけれど,ノラにしては人に馴れているしきれいです. 猫に聞いても答えてくれません. 容姿の整った,実に良い猫です.
おまけにこの猫,私の尺八がわかるみたい(^^;)です. 尺八を吹き始めると,前の道路をトコトコ渡って我が家の庭先に来ます. ロングトーンなどしている間は,毛づくろいしながらその辺にいる,みたいな感じですが,先日,緩やかな曲(布袋軒三谷)をとりわけ静かに吹いていたら,頭を垂れて,ついに寝てしまいました. あんまり気持ち良さそうに寝ているので,しばらく音を出さずに見ていたら,目だけ開けて,どうしたの? というような顔でこっちを見てました. う~ん‥‥ なんてかわいい! ホールのまばらな聴衆の128倍くらい嬉しいお客様です(^^;;)
お花見で拾ったのか,インフルエンザB型に罹ってしまいました. こんな時期にインフルエンザに罹ろうとは,思ってもいませんでした. 生れてはじめてリレンザなる薬の世話になりました. すでに熱はほぼ平熱ですが,禁足は解けないし,マスクをしていては尺八も吹けないし,家事も免除されて,暇なので,youtubeの作業をしました.
今年1月の杜のホールはしもとの<アンサンブルコンサート>の動画をアップしました. ところが,「オルフェの唄」は著作権侵害とのことで,アップすることができませんでした. この曲もyoutubeにはたくさんアップされているんですけどね. でも,しかたがありません,諦めました.
ついでに,昨年の<アンサンブルコンサート>も,1曲ごとに分割して,再アップしました. 全部で8曲をほぼ同時に公開したので,曲ごとのアクセスの伸びが比べられるのが楽しみです. 「春の海」の尺八版と縦吹きフルート版も比較できます(ただ,1年の間に腕も変わっていますので). ご覧になったら「高評価」「低評価」の投票をして下さると,参考になります. 宜しくお願いします.
ふと気づけば,前回このページを更新してから,なんと,一ヶ月以上も経過しているではないですか. 季節もずいぶん変わってしまいました. その一ヶ月の間のことをまとめて.
インフルエンザから復活して,そのまま,信州・伊那の高遠城址の桜と,高山祭に行ってきました. 桜も良かったですが,高山祭があんなに素晴らしいものとは思っていませんでしたので,大満足でした. 祭りというと,神輿を担いで山車を曳き回すのを,的屋の屋台がひしめく喧騒の中でこっちも酒飲みながら見ているイメージでしたが,高山祭はぜんぜんそんなのではありませんでした. 神職の白衣か裃を付けた人たちが中心で,屋台もしめやかに曳き回されます. まさに神事,です.
ところでかつて高山には「應龍臺」という屋台があったのだそうです. その幟を発見して,驚きました. 應龍臺の皆さんも,私の名刺を見て,驚いてくれました. ただし読み方は,私は「おうりょう」ですが,あちらは「おうりゅう」だそうです.
「三曲あさお」という団体(川崎市麻生区で活動しています)に入会しました. さっそく6月28日には本番があるそうで,はたして練習が間に合うのか不安ではあります(^^;) . 曲は山本邦山作曲「「尺八四重奏曲第2番 彩画」. 変拍子があったりする,なかなか大変な曲です. 現代邦楽(というか都山流?)は,古典本曲の世界とはまるで違うし,洋楽の常識もあまり通じないようで,カルチャーショックを覚えているところです.
4月29日には,虚無僧研究会の総会・講演会・懇親会がありました. 懇親会では,邦楽ジャーナルの編集長の田中さんが「和食がユネスコ無形文化遺産に登録されたように尺八も文化遺産になるのではないか」と仰って,おおいに盛り上がりました.
いくつかお知らせです.
久しぶりに浜松の実家(のあった土地)に行ってきました. 元々の竹藪はもちろん,屋敷跡も畑だったところも,いまではみんな竹藪になっています. 竹は孟宗ではなくて真竹,つまり,尺八になる竹です. 真竹の筍(タケノコ)は,梅雨に入るころにたくさん出ます. 昨日はまだ少し早くて,ちょっとしか出ていませんでしたが,それでも食べるには充分なだけ採れました. 皮をむいて,あく抜きするための寸胴鍋に入れたら,鍋にやっと納まるほどの量になりました. 他にも,野蕗,ラッキョウ,親戚の家の畑からはジャガイモ,タマネギ,‥‥,当分食糧には困りません. いや,それどころか,筍は食べきるのが大変なくらいです(^^;)
筍の皮をむきながら思いました. ちょうど尺八の太さの筍もあります. そのまま育てば,立派な尺八になったかも知れないのに‥‥,と. 尺八にならない筍も,他の物になったかも知れません. 皮をむきながら,思いました. 竹皮に包まれた筍の中のタケノコって,なんだか「仏性」みたいだなぁ‥‥
先日,近代日本が西洋音楽を取り入れたあたりに焦点を当てるというコンサートを聞く機会がありました. そのコンセプトに,ものすごく興味を持ちました. 古典的な邦楽,近代の邦楽(新日本音楽),同時代の西洋の音楽が同時に,しかも一流の演奏家で聴けるとなったら,大いに期待を持ちます. しかも,その会場がまた,衝撃的なところでした.
さて,その結果‥‥は 惨憺たるものでした.
海外から招集した一流オーケストラのメンバーによる弦楽四重奏は,まるでやる気のない演奏でした. 期待していたのに,何だ! この演奏は!
一方の,筝の演奏は,どこかの社中のお浚い会の素人の演奏程度の,まるで音楽性が感じられないものでした. 聞いていて,恥ずかしくなってしまいました. 会場には,そのオーケストラの関係でしょうか,外国の方もたくさんいました. これが日本の音楽だと思われたのでは悲しい.
宮城道雄はこんなつまらん曲を作ったのか,と,本気で思いました.
しかし,次の曲,筝とフルートの曲(これも宮城道雄作曲)は,なかなか素晴らしい曲でした. それは,フルート(外国人の女性奏者)が音楽にしてくれたからでした. さっきの曲は宮城道雄が悪いのではなくて,演奏が悪かったのです.
さらにその次の,尺八とフルートの合奏曲(山本邦山作曲)は,感動して涙が出るほどすばらしい演奏でした. この一曲で,この日の入場料の元はとれたような気もします.
それに反して,その次の筝とヴァイオリンの曲(これも宮城道雄作曲)では,ヴァイオリンは音も鳴らす気がないような演奏でした. そして筝には音楽性が感じられませんでした. 結果,まったく合っていない(そもそもタイミングからして),聞くに堪えないものでした.
最後の曲に至っては,むしろオゾマシイ‥‥ まあ,考えようによってはものすごく贅沢な演奏でした. ただし,場所が祇園花街とかだったらね. 海外の一流オーケストラの弦楽をバックに著名な邦楽家の演奏で,祇園の芸妓の踊りを見るなんて,まったくあり得ないことですから.
邦楽家も,西洋音楽の勉強と訓練をまじめにしてみてはどうでしょう. 一流のお筝弾きが,素人のピアノ以下でいいのでしょうか. 師範とか大師範とか言う尺八吹きより,アマチュアのフルート吹きの方がはるかに音楽性があるのではないかと思います.
ただしそれは,近代以降の新日本音楽の話しであって,それ以前からの伝統的な音楽は一応,別の話しです. でも,その伝統的な音楽にしても,西洋音楽を/も学ぶ・訓練することで,相対化できたら,それは意義深いことだと思います.
先日(7月12日),吹き合せ会では総浚いの会を行ないました. 参加者はやや少なめでしたが,充実したとても良い会になりました. ただ,できるだけたくさんの曲を吹こうと思うあまり,余裕のない進行になってしまいました. 次は,もう少し余裕をもったプログラムにしたいと思います.
吹奏した曲は下記の通りです.
終了後は,戸塚の中華料理店で暑気払いとなりました. 暑気払いも楽しい良い会となりました. ただ,飲み放題の紹興酒を,少々飲みすぎてしまったようです(^^;)
「三曲あさお」の第21回定期演奏会(昭和音楽大学ユリホール,8/23)に出演し,大波乱(^^;)のうちに終了しました. 私の演奏したのは2曲,最後から3曲目の「尺八四重奏曲 彩画(山本邦山作曲)」と最後の「シルクロード(喜多郎作曲,三塚幸彦編曲)」です. 出演‥‥とは言っても,その他大勢の一人ですが(^^;)
さて,その「彩画」の演奏中に,とんでもないことが起こりました.
本番の演奏中,突然,ホールに妙な音声が流れました. 客席からはどよめきがあがり,舞台の上はちょっとパニックです. とりあえず演奏を続けたものの,再三再四,いやもっと何度も,妙な音声が流れます. 客席の怒声や笑い声が,舞台の上にも響いてきます. 舞台の上は,もう,完全にパニックです. 最初は我々のスタッフのヘマだと思ったのですが,そうではなく,ホールのトラブルかと思ったらそうでもなく,しばらく原因不明でした. そんなパニックの中,最後まで吹き切ったのは大したものだと思います:p
原因は,近くで行われたイベントのワイヤレス・マイクの混信でした. 原因がわかり,イベント主催者に連絡がとれて,事態が収拾できたのは,もちろん私の出ていた演奏曲が終わってからのことです. 原因はわかったのですが,微弱電波の混信なので電波法に触れる問題でもなく,イベント側もホール側も責任をとるつもりはないようで,なんともやるせない気持ちです.
本番にハプニングはつきものですが,こんなのは生まれて初めてです. しかし,実際は,よくあることのようです. 無線(ワイヤレス)は便利なことこの上ないわけですが,こういう怖さもあります.
そんなわけで,今回の演奏の出来・不出来については判断不能です(^^;)
ところで,「彩画」の前回の演奏(6/28)の様子がYoutubeにアップされていました.
https://www.youtube.com/watch?v=-sF0MRIgpCA
私は後列の右端でごく控えめに(^^;) A管を吹いています.
下記のコンサートに出演します. 尺八ギター・デュオのTKB52です.
水と緑のコンサート 2014 日時:2014年9月15日(月・祝) 12:30開場 13:00開演 (TKB52の出演予定は13:25~13:45ころ) 場所:横浜市泉区民センター テアトルフォンテ(相鉄いずみ野線 いずみ中央駅) 入場:無料
我々(TKB52)の演奏予定曲目は,下記の通りです.
・灰色の瞳(ウニャ・ラモス) 1尺6寸管使用 ・オルフェの唄(ルイス・ボンファ) 1尺6寸管使用 ・グリーンスリーブス(イングランド伝承曲) 縦吹きフルート(オークラウロもどき)使用 ・影を慕いて(古賀政男) 縦吹きフルート(オークラウロもどき)使用 ・あの日にかえりたい(荒井由実) 1尺6寸管使用
主催者によると,うっかり敬老の日にぶつけてしまったので,出演者も多数集まらず,したがって集客も足りなくなりそう,とのこと. お暇がありましたら,ぜひお出かけください. 下記のような演奏があります(出演順).
1 ウクレレの合奏 2 (TKB52) 3 ヴァイオリン・ピアノ 4 オカリナの合奏 5 フルート・ピアノ 6 和太鼓の合奏終演予定は15:10です.
先述の「水と緑のコンサート」は,散々な結果となりました (; ;)
舞台に出て,立ち位置について,照明があがり,礼をして, ‥‥ 客席を見ると,まるでお客さんが入ってない!(心配していたことではありましたが). それにしても,リハじゃあるまいし,こんなにお客さんの入っていない本番は初めてです. 「なっ,何だ! これはっ!」が頭の中にこだまして,集中力がどこかに消えてしまい,いきなり1曲目で大ドジをしでかしました. どういうドジをしたのか覚えていません. これまで一度もしたことのないような大々ドジであることは確かです.
3曲目あたりでやっと持ち直して,なんとか最後の5曲目までこぎつけましたが,どうにも情けない,悔いの残る結果でありました. 怖ろしくて,録音を聞く気にはなりません.
お客さんが少なかったことは,しかし,失敗の言い訳にはできません.
自分の練習時間としては決して少なくはなかったと思うのですが,いま一つ納得がいかず,不安を残こしていた曲がありました. それはドジった1曲目ではなく,立て直しが効かなかった2曲目でもありません. 1曲目はこれまでに何度もやった曲で,ケーナ時代からならもう35年もやっている曲です. 目をつぶってもできる(いや,いつも本当に目を閉じて吹いているのですが)など思っていたのが迂闊だったのでしょう. 2曲目も,前回そこそこうまくできた曲なので,気を抜いていたかも知れません. 練習でなかなかうまく吹けなかったのは3曲目で,本番ではそれこそ必死で吹いたのですが,一番不安だったこの曲で,立て直しができたのでした.
不甲斐ないことでありましたが,要するに「修行不足」です. 「練習不足」ではありません. 心のありようがいけなかったのです. 「なりきる」ことができなかったのです.
一つは,何度もやった曲だからと侮ってしまって,全身全霊を打ち込めなかったこと. それで,心の隙間に雑音が入り込み,心のバランスを足元から崩してしまったのでした.
もう一つ,自分自身が楽しむ,という態度も足りなかったようです.
演奏者が楽しんでいればそれが聴衆に伝わり,聴衆を楽しませます. それは演奏の上手い/下手とは別のことです. 自分自身を楽しくさせようとしなかったこと,これがもう一つの心の問題でした. 「この舞台に立てて嬉しい」ではなくて,「上手そうに演奏して聞かせてやろう」というような傲慢な気持で舞台に出てしまったのかも知れません. しょうもない「自称プロ」みたいなものに成り下がっていたようです.
反省.
9月20日,谷中の全生庵(臨済宗国泰寺派,開基山岡鉄舟)の秋の彼岸の入りの法要に,虚無僧として参加させていただきました.
虚無僧と言っても,天蓋を被って外を歩くわけではなく,本堂に座って,お坊さんたちの入・退場の時と,諷経に合わせて吹くだけです. 虚無僧は,私を含めて11名,国泰寺の「妙音会」のメンバーです(私は会員ではありません). 入堂には「蓬莱」,諷経の時は「三谷」. どちらも私は初見の曲でしたが,短い曲の繰り返しで,まあなんとかなり,みなさんの足を引っ張らずには済んだかと思います(冷や汗 ^^;;).
まったく初めての経験です. たった5日前のステージでの演奏(洋楽)とはあまりにもかけ離れた,別世界です. 同じく「本曲」を吹くと言っても,これまでやってきた「吹禅(すいぜん)」は坐禅修行と同じでことでした. それに対して今回のは,儀式の「荘厳(しょうごん)」であり,いわば須弥壇(仏壇)のお飾りのようなものです. 吹禅は個人のものですが,儀式の荘厳は個人のものではなく,ある意味では参列者のためのものですから,意味合いと重さが違います.
それにしても,最近,私の尺八はあっちこっちに広がり過ぎているのかも知れません(三曲合奏はやりませんが).
9月からいきなり今日は大晦日です :p 恒例の大晦日百八曲献奏修行会(法身寺)も無事終わりました. 今年は合奏・斉奏を除いて9曲吹きましたが,長管はやめてすべて2尺の地無しにしました.
さて,今年は忙しい一年でした(この頁の更新もできないほど(^^;) に). いろいろ新しいことを始めたせいもありますが,しかし実は,気が急いただけなのかも知れません. 来年はもう少し落ち着いて,じっくり構え,効率よく,こなさなければならないと反省しています. 急いては事を仕損じる・急がば回れ,ということでしょうか. 要するに,心の修行が足りない,ということです. 今日の献奏でも,ついついテンポが上がり,息継ぎが短くなってしまうことが度々ありました.
今年新しく始めたこととは,一つはフルートのレッスンを受けたこと,現代邦楽の団体に参加したこと,それとはちょうど逆の,虚無僧の団体にも参加したこと,おまけに筝との合奏(宮城道雄など)まで始めたこと,です. やることの絶対量はさておき,スペクトラムが少々広がりすぎたかも知れません. おかげで,坐禅や献笛や,そもそも師匠のところに稽古に行くのを,まったくサボってしまいました.
以前に書いたように,「尺八の練習を1万時間」の目標を立てています. 今日までで,しかし,まだ4900時間に少し欠けるというところです. このペースだと,1万時間達成は2020年11月20日の予想です. はやぶさ2の帰還に間に合うかどうか…… オリンピックには間に合いそうにありません.
でも,まあ,来年は,「数値目標」にはできるだけとらわれず,しかし着実に,進歩はしたいものだと思います.
それでは皆様,どうかよい年をお迎えください. 来年も宜しくお願い致します.