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音を良く響かせるとっておきの練習法

音が大きいばかりが尺八の魅力ではありませんが,よく響く音を出すことは大切です. 単に無理矢理大きい音を出すのではなく,味のあるよく響く音 …… . そういう音を出すためには,口腔に生卵を一個まるごと入れているような感じで吹け,とか言われたことがありますが,なかなかうまく行くものではありませんでした.

最近,これを実現する簡単な方法を発見しました. カラオケです. ようするに,歌うことです. 歌詞のある曲を選びます(カラオケならみんなそうですよね). クラシックの歌手(マイクに頼らない歌手)になったつもりで,歌詞にあわせて口腔を大きく広げ,本当に歌っているつもりで,尺八を吹いてみましょう. もちろん唇は尺八用のアンブシュアのままです. それでも歌うつもりで吹こうとすると,開けられない唇の替わりに,さらに口腔が大きく開いているようなのです. その結果,驚くほどよく響く,味のある,素敵な音が出てきます.

カラオケならその歌詞に沿って口腔を広げればいいのですが,本曲などでは歌詞はありませんから,さてどうしましょう. でも,この方法で練習して音の響かせ方が身についたら,歌詞がなくても,自然によい響きの音になるのではないでしょうか.

2007年08月