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笛を吹くことの健康への効用



1. 姿勢を正す

笛を吹くには,まず,姿勢を正さねばなりません. 正しい姿勢は,健康の第一歩です.



2. 息を使う

笛は息を使って鳴らします. ですから,笛を吹くことは,心肺機能を自然と高めることにつながります.



3. 腹式呼吸

笛をしっかり鳴らすには,腹式呼吸をつかいます. 腹式呼吸は,坐禅やヨーガ,また武道でも用いられる呼吸法です. 腹式呼吸では,腹筋を使って呼吸をしますから,内蔵がマッサージされるのと同じような効果が得られます.

腹式呼吸では,短時間に息を吸い,ゆっくり吐き出します. 息を吸う時には交感神経が,息を吐き出す時には副交感神経が刺激されます. 吐き出す時間を長く取る腹式呼吸では,副交感神経がより刺激されますから,身体も精神もリラックスし,血圧や肩こりにも効果があるそうです.



4. 口輪筋

笛の音を出すには,上半身,とくに唇の力は脱力することが大事です. ただし,しっかりした音,大きい音を作るには,唇のさらに周りの「口輪筋」を活用します.

口輪筋の力が衰えると,睡眠時に口が開き口呼吸になって舌根の沈下をもたらし,いびきや,ひいては気道閉塞による窒息(閉塞型睡眠時無呼吸症候群)を生じるのだそうです. 口呼吸になるだけでも,喉の乾燥によって粘膜組織が痛み,そこから細菌やウィルスの感染の恐れも指摘されています.

笛を練習するだけで,こんな恐ろしいことからも,どれほどかは身を守れるのではないでしょうか.

(誤解しないでください:唇,特に空気を吹き出す穴の周りには絶対に力は入れません.)



5. 指を使う

音が出たら,音の高さを調節してメロディーを作るのは,指の仕事です. 「指は外に出た脳である」などと言いますが,指を使うことは脳に対するよい刺激になります. ボケ防止にも,うってつけですね.



6. 楽譜を読む・暗譜する

楽譜を読み,最後には楽譜を暗譜する必要があります. これはなかなか知的な作業です. 記憶力とイマジネーションの力を養う,脳の訓練に最適です. それに,一曲暗譜できた時の喜びは,また格別です.



7. 音楽セラピー

好きな曲を吹きまくれば,ストレスが発散されます. 年齢とともに懐かしさの募るメロディーたちは,心を癒してくれます. 幼いころのメロディーは,認知症の治療にすら利用されています. とにかく音楽は,心の健康によく効きます.



8. しかも虚無僧尺八なら

虚無僧の尺八は,それがそのまま「禅」です. 「吹禅(すいぜん)」と言っています. 日本曹洞宗の祖,道元禅師は,「坐禅することが即ち悟りの姿だ」と言っていますが,それなら,尺八を吹くことがそのまま悟りの姿だと言えるでしょうか.



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